「俺のネクストガール2017 〜もちろん藤井〜」(1日目)@品川ステラボール

 スターダストプロモーションの全アイドルグループが結集して弱肉強食でガチでナンバー1を決めるという昨年の「俺の藤井 2016 in さいたまスーパーアリーナ 〜Tynamite!!〜」*1が面白すぎたので、今年はどんな企画かと期待して行ってみた。だが、今年は別会場でのデビュー前のグループから観客の投票で2日目のこちらの会場への出演グループを決めるという企画はあるものの、それも昨年の観客の目の前で毎回勝者敗者が決まってしまうという昨年のような緊迫感はないであろうし、さらに言えばこの日はそうした企画もなく4グループ(ばってん少女隊ロッカジャポニカ、ときめき♡宣伝部、たこやきレインボー)が順番にパフォーマンスを披露していくというものだった。イベントとしては物足りなかったことは否定できないが、それはないものねだり。アイドルイベントはこちらが普通だから。
 考えてみれば昨年の企画自体負けたグループの子たちがかわいそうだとか、残酷だとか野蛮だといった否定の声がももクロ以外のグループのファンの一部から挙がっていたことも知っている。そういうこともあっての今回の企画だとは思うのだが、逆にこのライブに参加してみて私がももクロに何を求めているのかというのがはっきり分かった気がした。
 ももクロのファンもここまで数が多くなると千差万別であり、私が考えているモノノフ像が全員に当てはまるというわけではないだろうというのはあらかじめ指摘しておく必要があるとは思うが、私の持つ「モノノフ」のイメージにもっとも近いのはサッカーチームのサポーター集団である。その中でも戦闘的サポーター集団というのはいくつかあるが、過激化して相手チームのサポーターに暴力をふるうなどという輩は問題外としてもサポーターは単に「応援する」というだけにとどまらず声援で応援歌で非暴力的なあらゆる手段で「チームと一緒に闘う」というのが根底にある。それゆえ、例えば敵チームのチャンス(自陣ゴール近くの相手側フリーキック)などでは全員で声の限りブーイングを行うし、時に行きすぎて一緒に戦おうとしない自チームファンに対し敵意の目を向けることさえなくはない。
 それでもそれは実際に選手たちの力として役にも立っているのだということは欧州サッカーリーグなどにおけるホームとアウエーでの歴然とした成績の違いをみていれば明らかなのだ。日本においてもっともそれを体現していると思うのが、浦和レッズのサポーターたち。私は浦和レッズのファンというわけではないが、相当昔のことになるが、国立競技場を埋め尽くす赤いユニホームの軍団が国立を埋め尽くし、それぞれに旗を振り上げ、そして怒涛のような歌声がスタジアムに鳴り響くのを初めて生で体験した時には思わず涙が出てきたことを記憶している。
 それだけではない。同じ国立。逆に圧倒的少数の横浜フリューゲルスサポーターが声を振りしぼったフリューゲルス最後の公式試合となった天皇杯決勝も忘れられない記憶である。
 ももクロと一緒に国立競技場に立った日の記憶もそれと重なるような種類の感動だった。これはももクロ現場だけのことか、ほかのアイドルでも同じかはよく分からないのだが、初めて参加するももクロファンだけが観客ではない会場のことをアウエーと呼ぶことが多いのだが、そうしたアウエー現場でももクロと一緒に戦うというサッカーのサポーター的な一体感がある時期までのモノノフを支えてきたのではないか。モノノフという言葉の由来は「アイドル戦国時代」という見立てがその頃あったゆえだし、「天下取り」「陣羽織を模したモノノフ正装」などそこから来ている要素は多いとは思うが、一方で5色のユニホーム(?)で戦場に駆け付ける様相や特に最近は会場がスタジアムやドームという巨大な空間になってきているということからもくる規模感の一致といえ、モノノフ=サポーター論はあながち無理な例えでもなくなっていると思うがどうだろうか。
 

*1:昨年のレポートはこちらhttps://spice.eplus.jp/articles/33406

ももいろクローバーZ年越しライブ 第二回 ゆく桃くる桃 〜年またぎ笑顔三昧〜@パシフィコ横浜

第二回 ゆく桃くる桃 〜年またぎ笑顔三昧〜
2016年12月31日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
02. 全力少女
03. ゴリラパンチ
04. 仮想ディストピア
05. ザ・ゴールデン・ヒストリー
06. 真冬のサンサンサマータイム
07. コノウタ
08. 行くぜっ!怪盗少女
09. 未来へススメ!
10. DECORATION
11. 青春賦
12. 今宵、ライブの下で
13. 走れ!
ももいろクローバーZ ジャパンツアー「青春」第1弾
2017年4月22日(土)滋賀県 ひこね市文化プラザ
2017年4月23日(日)兵庫県 加古川市民会館
2017年4月29日(土・祝)北海道 千歳市民文化センター
2017年5月3日(水・祝)広島県 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
2017年5月4日(木・祝)福岡県 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
2017年5月6日(土)岡山県 岡山市民会館
2017年5月7日(日)香川県 レクザムホール
2017年5月20日(土)島根県 島根県民会館
2017年5月21日(日)鳥取県 とりぎん文化会館
2017年5月27日(土)新潟県 新潟テルサ
2017年5月28日(日)石川県 金沢歌劇座
2017年6月3日(土)大阪府 岸和田市立浪切ホール
2017年6月4日(日)奈良県 なら100年会館

第二回となったももクロの年越しイベント「ゆく桃くる桃」が今年はパシフィコ横浜で開催された。第一回となった前回がオールスタンディングであったのにやりたいことをすべて詰め込みすぎて、6時間半の長丁場となってしまったのを反省。今年は第一部のお笑いイベントと第二部のカウントダウンライブのすっきりした構成となった。
今回は幸運にもチケットが当たり、現地で見ることができた。
佐々木敦規が演出を全面的に担当したこともあって歌手・アーティスト系のゲストはなしでお笑い系のタレントによるトークバラエティーとがっつりライブの二部構成。トークゲストにももクロにゆかりのある東京03、ハライチ、千鳥・ノブ、永野、オテンキ、ジョーク東郷、パーマ大佐が登場した。
前年にフォーク村的なイベントパートを担当したきくちPらフジテレビNextのスタッフはガチンコ3(3Bjunior)を中心とした前座のロビーコンサートを手掛け、放映もするという形ですみわけを行った。
私はこのカウントダウンライブは将来はももクロ版のフェス的なイベントに発展させていくんじゃないかとの予測をしていたんだが、今年の枠組みを見てみる限りはそういう感じでもなさそうだ。
直近にももクリを見たばかりということもあり、単独のライブとしては曲数が少し少ないかなとも思ったが、ライブはよかった。
特に年明けの「未来へススメ」からの「今年もやるぞ」との雰囲気を出しながら畳み掛けていく展開はももクロライブならではの高揚感も強く感じ、興奮させられた。
実はそれ以上にタレントとしての成長を感じさせたのは第一部のバラエティーブロック。今回、白眉となったノブ×ももクロの即興漫才をはじめ、これまで場数を踏んできたことによるバラエティー的な対応力に昔と比べると半端ない安定感がみられた。ももクロChanでいつもコンビを組んできた東京03飯塚との絶妙のコンビネーションに大いに助けられた部分はあるとはいえ、MCを務めた玉井詩織の安定感は驚異的で、これならバラエティー番組のアシスタンス司会役など即戦力で務まるはず。オファーがきて活躍の場を得てほしいと思った。推し補正は入っているかも知れないが即興漫才でオチを務めた杏果の成長にも涙した(笑)。
もうひとつのハイライトは全国47都道府県でのホールライブツアーの発表。第1弾として13カ所が明らかになったが、営利としての動員を度外視してこういうことをやるというのはももクロらしいやり方ではある。各会場のキャパは1500〜2500程度のようだから、毎回超高倍率になりそう。早くも落選祭りの声が聞こえてきている。毎回行きたいというような人をどのようにさばいて不満を最小限に抑えるかのハンドリングに運営の手腕が問われそうだ。

「ももいろクリスマス 2016 〜真冬のサンサンサマータイム〜」(2日目)@幕張メッセ

【セットリスト】
OPENING
01:泣いちゃいそう冬
02:僕等のセンチュリー
03:BIONIC CHERRY
04:Chai Maxx ZERO
05:空のカーテン
MC 自己紹介
06:JUMP!!!!!
07:行くぜっ!怪盗少女
08:WE ARE BORN
09:DECORATION
10:きみゆき
MC
11:サンタさん
れにちゃんマジック 越中詩郎 登場
12:Guns N' Diamond
13:今宵、ライブの下で
14:Neo STARGATE
15:真冬のサンサンサマータイム(新曲)
16:ココ☆ナツ
17:SECRET LOVE STORY(氣志團のカバーソング)
18:Link Link
19:ザ・ゴールデン・ヒストリー
20:My Dear Fellow
21:白い風
MC
<アンコール>
overture
22:黒い週末
MC 南国ピーナッツ(松崎しげる)登場 来夏ライブの開催地を告知
23:ミライボウル
24:スターダストセレナーデ
25:一粒の笑顔で…

 初日は幕張てまきパークでのLVだったが、この日はチケット抽選はすべて落選だったが、ツイッターフォロワーの方の好意のおかげで会場での生観戦が可能になった。本当に有り難いことである。内容的にも初日のハワイアンに編曲された曲が披露された「高木ブー」オマージュブロックがなく、代わりに「Guns N' Diamond」「今宵、ライブの下で」「Neo STARGATE」の3曲が入ったこともあり、よりがっつり感と重厚感のあるライブとなった。
 この日披露された25曲のうち、11曲は前日発売となったももクロ冬ソングのベストアルバムである「MCZ WINTER SONG COLLECTION」の収録曲であり、それ以外にもシングル曲の「ザ・ゴールデン・ヒストリー」「DECORATION」に定番の「行くぜっ!怪盗少女」も2日間共通で入るのでセットリストの自由度はそれほどないと思われる。また、「真冬のサンサンサマータイム(新曲)」から「ココ☆ナツ」へとつながるブロックもおそらく、こうした内容の新曲となった時点からの既定路線だったと思われた。

 そういう中でも2日間のライブが同工異曲とは感じなかったのは大箱ライブでのひさしぶりの披露となった「5TD」収録曲の「Neo STARGATE」など最近のメンバーの成長ぶりを見せつけた感のある白眉のパフォーマンスがあったためだ。現地でははっきりとは分かりかねる部分もあったが、前奏部分のカルミナ・ブラーナに合わせて会場に映し出されたプロジェクター・マッピングは今までにない格好良さで、早くDVDなどの映像で確かめてみたいと映像ソフトの発売が待ち切れないほどだ。
 前日は声がれでやや不安な感があった杏果もこの日は絶好調とまではいかないが、安全運転を心がけて何か問題があるとはほとんど感じさせない歌い回しを心がけていた。おそらく、この日は後半アンコール前の最後の楽曲として「白い風」があることを十分に意識してのことと思われる。「白い風」もそこに至るまでの所は幾分抑え気味だが、それはこの曲の見せ場であるロングトーンに向けてそれまでできるだけ喉に負担を与えることをしないで取っておいたからだということが実際にその部分に来てみるとはっきりと分かった*1
 

*1:ただこの日の感想戦で「白い風」を前日の方がよかったという人が複数いて当惑させられたことも確か。前日は細心なコントロールはせずに奔放に歌ったがゆえに声がれを引き起こしたと私は感じたが、そうは思わぬ人も多かったようだ。とはいえ、私はかなりそこのところには集中していたのでことこの部分についてはけっこう自信を持っているのだが。

「ももいろクリスマス 2016 〜真冬のサンサンサマータイム〜」LV(1日目)@幕張メッセ

【セットリスト】
SE. PRIDEのテーマ
01. DECORATION
02. ピンキージョーンズ
03. 泣いちゃいそう冬
04. 「Z」の誓い
05. きみゆき
MC
06. Believe
07. ザ・ゴールデン・ヒストリー
08. 走れ!
09. CONTRADICTION
10. 白い風
MC
11. サンタさん
【ゲスト】高木ブー
12. メレカリキマカ(ハワイのクリスマス曲)
13. スターダストセレナーデ with高木ブー
14. コノウタ
15. 行くぜっ!怪盗少女
MC
16. 真冬のサンサンサマータイム(新曲)
17. ココ☆ナツ
18. ROCK THE BOAT
19. SECRET LOVE STORY
MC
20. ツヨクツヨク
21. 一粒の笑顔で...
22. JUMP!!!!!
MC
ーーーー本編終了ーーーー
SE. Overture
EN1. 空のカーテン
MC
EN2. 僕等のセンチュリー
EN3. ゴリラパンチ
MC 〈バンド紹介〉
EN4. 今宵、ライブの下で

  2010年から毎年クリスマスの時期に開催。今年で7度目となる恒例ライブが「ももいろクリスマス」である。今回の「ももいろクリスマス2016」では厳寒のスキー場開催のゆえに余計な演出は排しストレートなライブとなった昨年とは異なり、副題となった「真冬のサンサンサマータイム」に因んで「常夏」をテーマに構成。ファイアーパフォーマー「かぐづち-KAGUZUCHI-」やフラガールタヒチアンダンサー合わせて49人が参加しショーアップされたステージが展開された。
 この日はライブのチケットは入手できずライブ会場隣りの物販会場「てまきパーク」でのライブビューイングでの鑑賞となったが、翌日実際に入った生のライブ会場と比べるとクローズアップの画面などでは細かいところまで見ることができた。そのために実際のライブ参戦と比較すると臨場感という点では見劣りしたものの、逆に細部が気になる、ということがあった。そうしたこともあってか初日に気になったのは有安杏果とあーりん(佐々木彩夏)が万全のコンディションとはいえないのではないかと思われたことであった。もちろん、どちらもそれが響いて歌うのに大きな支障をきたすというほどではないが、ライブが始まってしばらく聴いてみると杏果が声枯れ、あーりんは鼻声などである。もっとも少しいつもよりは声の鼻への掛かり方がきついかなという感じはあっても元々鼻声であるあーりんの調子がどの程度悪かったのかというのははっきりとはいえないが、杏果が中盤の「白い風」のロングトーンの後ぐらいに「ごほんごほん」と空咳をしたのは確かで、実は杏果推しとして「ももいろフォーク村」での声の不調、1回目のFNS歌謡祭での歌唱の断念ということもあったので、この日の杏実のコンディションがどうなのかが本当に心配だったのである。
 杏果の声の不調といえば何と言っても誰もが思い浮かべるのは2011年の「女祭り」。あの時もライブ途中でソロ曲「ありがとうのプレゼント」の歌唱の最中に高音部の声が次第に出なくなって、この日と同じような感じの空咳をしていた。そして、その後、出ない声を何とかだそうと必死で声を振り絞るのだが、そうすればそうするほど喉のコンデションは悪化していってついには全然声が出なくなってくる。その時は残りのメンバーが声が出ない杏果のパートを歌ってカバーすることでその一生懸命さに私たちは涙することになった。ただ、その時の杏果には必至に頑張るという選択肢しかなくて、その結果自滅していったことも確かなのだ。
 当時はそれしかすべがなかった。ところがこの日の杏果に感心させられたのはただ強く歌うというだけではなく、「白い風」以降の楽曲について歌ごとに声の出し方を工夫し、この日のコンディションで無理しないでも出る声の範囲を探りながらライブを乗り切ってみせたことだ。事実ネットなどではこの日の杏果のコンディションについて絶好調と書いている人もいるほどで、空咳の後、大きな乱れはなかったため、気付かなかった人もいたようだ。そういう声に対し、一瞬、「私が見ていたのはひょっとして幻」と考えたこともあったが、以上の書いたことについてはライブの最中は心配で心配でほぼ食い入るように杏果の声を出している時の表情だけを見て、歌声もかなり集中して聴いていたので、ここに関してはおそらく実際にそうだったと自信を持っている。
 とは言え、この日の杏果はある意味で安全運転を心がけていたこともあるし、文字通り「絶好調」だった大分のソロコンと比較すると60〜70%程度のポテンシャルしか発揮できてなかったのではないか。そこまでのマイナスはないにしてもあーりんも100%のポテンシャルは発揮できていない気がした。
 そしてこんな苦境になると信じられないようなポテンシャルを発揮するのが百田夏菜子である。準備と言う意味ではNHKの朝ドラ「べっぴんさん」の収録をしながらのスケジュールとなり、他のメンバーと比べると余裕はないはずだが、ファンの間でれに、杏果、夏菜子の3段ロケットと呼ばれている「白い風」の大サビ、あるいはアカペラではじまった「JUMP!!!!!」の冒頭部分、そして満を持して最後に出てくる「空のカーテン」のソロ。この日の夏菜子はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、頼れるリーダー・センターの面目躍如たるものを感じさせた。

有安杏果『ココロノセンリツ 〜Feel a heartbeat 〜 Vol.0.5』@別府ビーコンプラザ

<セットリスト>
1. feel a heartbeat
2. Catch up
3. another story
4. 小さきもの(林明日香カバー)
5. Peace Loving people(絢香カバー)
6. 星間飛行中島愛カバー)
7. words of the mind -brandnew journey-
8. コノウタ
9. 白い風
10. ペダル
11. 裸
12. 未来へススメ!
13. To Be With You(Mr. Bigカバー)
14. Your Song(Elton Johnカバー)
15. 心の旋律
16. 小さな勇気
17. 愛されたくて
18. 教育
19. ゴリラパンチ
20. Drive Drive
ENCORE
1. 黒い週末
2. ハムスター
3. ありがとうのプレゼント

横浜は有安杏果のドキュメントとして特別な時間だった。今回の大分の公演にはそういう特権的なオーラはなかったが、ソロライブとしてのトータルな完成度の高さで圧倒的なものを感じさせた。横浜アリーナでの『ココロノセンリツ 〜Feel a heartbeat 〜 Vol.0』は初のソロコンサートであり、しかもそれをEXILEのキッズダンサーをしていた小さいときから夢の場所である横浜アリーナで実現した。そういう特別な事情もあったもちろん内容的にも素晴らしいものではあったけど、ほとんどドキュメンタリーを生で見せられているようで、実に感動的なものだったが、それだけに客観的な評価は難しかった。
 特に9歳の時にMVに出演した林明日香の「小さきもの」は杏果にとって特別な楽曲だったのではないか。