舞台「幕が上がる」映像上映会(有志での上映会)

原作:平田オリザ
キャスト:百田夏菜子 / 玉井詩織 / 高城れに / 有安杏果 / 佐々木彩夏 / 伊藤沙莉 / 芳根京子 / 金井美樹 / 井上みなみ / 多賀麻美 / 藤松祥子 / 坂倉花奈

 舞台観劇時の観劇レビュー(http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20150505/p1
舞台版「幕が上がる」が演劇作品としてどうなのかということについては観劇時にレビューとしてまとめた(その後加筆)のでそちらを参照してほしいのだが、今回は舞台版の映像をミニシアター級のスクリーンでひさびさに鑑賞してみて、観劇時には気がつかなかったいろんなことに気がついたのでそれを簡単に紹介してみたい。
 まず思ったのは映画もそうなのだが、本広克行監督のキャスティングの素晴らしさである。舞台を劇場で見た時には平田オリザの作品は同時多発的にいろんな出来事が展開するため、どうしても主要な登場人物を演じていることもあって、ももクロのメンバー(なかでも百田夏菜子 / 玉井詩織 / 有安杏果の3人)を目で追いがちになるが、映像ソフトを見るときにぜひ注目してほしいのはももクロ以外の女優たちの演技である。この舞台の後、ドラマで主演、朝ドラヒロインまで一気に上り詰めた芳根京子、現在朝ドラで米屋の娘として出演、今後の活躍が期待される伊藤沙莉青年団からの4人娘も映画「幕が上がる」でも目立っていた井上みなみ以外は当時は無隣館から入団したばかりのほぼ新人。いずれも舞台を見たときにはそこまで見て取る余裕がなかったのだが、その後の活躍ぶりが納得できるような魅力をこの舞台でも見せてくれている。
 そうした魅力がもっとも堪能できるのが2回行われるセリフ渡しの部分である。この部分は平田オリザの原戯曲の指定にはなくて、演出を担当する本広克行監督のアイデアとして後から付け加えられたものだが、それにはいくつかの狙いがあったと思われる。セリフ渡し自体はいわき総合高校で実際に俳優訓練の一環として実際に行われているらしいが、何かの戯曲を演じている俳優の演技に次々と見学していた他の俳優が割り込んできて、その演技を演じ継いでいくというものだ。物語上の設定としてはこれは「銀河鉄道の夜」の稽古の一環であって通常だったらメインのキャストがそのまま特定の場面を演じるところを、その日は稽古の欠席者がいるということもあってセリフ渡しを演じるということになるが、おそらく芝居としてはもうひとつ目的がある。というより、それがそもそもこの部分が入っている理由なのだと考えるが、演劇ではできればももクロメンバー以外の出演者にもそれぞれ見せ場をつくりたいということだったんだと思う。
 
 

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「ももいろクリスマス 2016 〜真冬のサンサンサマータイム〜」LV(1日目)@幕張メッセ

【セットリスト】
SE. PRIDEのテーマ
01. DECORATION
02. ピンキージョーンズ
03. 泣いちゃいそう冬
04. 「Z」の誓い
05. きみゆき
MC
06. Believe
07. ザ・ゴールデン・ヒストリー
08. 走れ!
09. CONTRADICTION
10. 白い風
MC
11. サンタさん
【ゲスト】高木ブー
12. メレカリキマカ(ハワイのクリスマス曲)
13. スターダストセレナーデ with高木ブー
14. コノウタ
15. 行くぜっ!怪盗少女
MC
16. 真冬のサンサンサマータイム(新曲)
17. ココ☆ナツ
18. ROCK THE BOAT
19. SECRET LOVE STORY
MC
20. ツヨクツヨク
21. 一粒の笑顔で...
22. JUMP!!!!!
MC
ーーーー本編終了ーーーー
SE. Overture
EN1. 空のカーテン
MC
EN2. 僕等のセンチュリー
EN3. ゴリラパンチ
MC 〈バンド紹介〉
EN4. 今宵、ライブの下で

  2010年から毎年クリスマスの時期に開催。今年で7度目となる恒例ライブが「ももいろクリスマス」である。今回の「ももいろクリスマス2016」では厳寒のスキー場開催のゆえに余計な演出は排しストレートなライブとなった昨年とは異なり、副題となった「真冬のサンサンサマータイム」に因んで「常夏」をテーマに構成。ファイアーパフォーマー「かぐづち-KAGUZUCHI-」やフラガールタヒチアンダンサー合わせて49人が参加しショーアップされたステージが展開された。
 この日はライブのチケットは入手できずライブ会場隣りの物販会場「てまきパーク」でのライブビューイングでの鑑賞となったが、翌日実際に入った生のライブ会場と比べるとクローズアップの画面などでは細かいところまで見ることができた。そのために実際のライブ参戦と比較すると臨場感という点では見劣りしたものの、逆に細部が気になる、ということがあった。そうしたこともあってか初日に気になったのは有安杏果とあーりん(佐々木彩夏)が万全のコンディションとはいえないのではないかと思われたことであった。もちろん、どちらもそれが響いて歌うのに大きな支障をきたすというほどではないが、ライブが始まってしばらく聴いてみると杏果が声枯れ、あーりんは鼻声などである。もっとも少しいつもよりは声の鼻への掛かり方がきついかなという感じはあっても元々鼻声であるあーりんの調子がどの程度悪かったのかというのははっきりとはいえないが、杏果が中盤の「白い風」のロングトーンの後ぐらいに「ごほんごほん」と空咳をしたのは確かで、実は杏果推しとして「ももいろフォーク村」での声の不調、1回目のFNS歌謡祭での歌唱の断念ということもあったので、この日の杏実のコンディションがどうなのかが本当に心配だったのである。
 杏果の声の不調といえば何と言っても誰もが思い浮かべるのは2011年の「女祭り」。あの時もライブ途中でソロ曲「ありがとうのプレゼント」の歌唱の最中に高音部の声が次第に出なくなって、この日と同じような感じの空咳をしていた。そして、その後、出ない声を何とかだそうと必死で声を振り絞るのだが、そうすればそうするほど喉のコンデションは悪化していってついには全然声が出なくなってくる。その時は残りのメンバーが声が出ない杏果のパートを歌ってカバーすることでその一生懸命さに私たちは涙することになった。ただ、その時の杏果には必至に頑張るという選択肢しかなくて、その結果自滅していったことも確かなのだ。
 当時はそれしかすべがなかった。ところがこの日の杏果に感心させられたのはただ強く歌うというだけではなく、「白い風」以降の楽曲について歌ごとに声の出し方を工夫し、この日のコンディションで無理しないでも出る声の範囲を探りながらライブを乗り切ってみせたことだ。事実ネットなどではこの日の杏果のコンディションについて絶好調と書いている人もいるほどで、空咳の後、大きな乱れはなかったため、気付かなかった人もいたようだ。そういう声に対し、一瞬、「私が見ていたのはひょっとして幻」と考えたこともあったが、以上の書いたことについてはライブの最中は心配で心配でほぼ食い入るように杏果の声を出している時の表情だけを見て、歌声もかなり集中して聴いていたので、ここに関してはおそらく実際にそうだったと自信を持っている。
 とは言え、この日の杏果はある意味で安全運転を心がけていたこともあるし、文字通り「絶好調」だった大分のソロコンと比較すると60〜70%程度のポテンシャルしか発揮できてなかったのではないか。そこまでのマイナスはないにしてもあーりんも100%のポテンシャルは発揮できていない気がした。
 そしてこんな苦境になると信じられないようなポテンシャルを発揮するのが百田夏菜子である。準備と言う意味ではNHKの朝ドラ「べっぴんさん」の収録をしながらのスケジュールとなり、他のメンバーと比べると余裕はないはずだが、ファンの間でれに、杏果、夏菜子の3段ロケットと呼ばれている「白い風」の大サビ、あるいはアカペラではじまった「JUMP!!!!!」の冒頭部分、そして満を持して最後に出てくる「空のカーテン」のソロ。この日の夏菜子はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、頼れるリーダー・センターの面目躍如たるものを感じさせた。

『星の記憶 -わが星@小豆島滞在記-』(『わが星』ドキュメンタリー映像上映会&トーク)

【『わが星』公演概要】
ままごと『わが星』
2015年5月16日(土) - 6月14日(日)@三鷹市芸術文化センター 星のホール
2015年7月18日(土) - 20日(月・祝)@香川県立小豆島高等学校 体育館特設ステージ
◎作・演出=柴幸男(ままごと)
◎音楽=三浦康嗣(□□□)
◎振付=白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)
◎出演=大柿友哉(害獣芝居)、黒岩三佳(キリンバズウカ)、斎藤淳子(中野成樹+フランケンズ)、寺田剛史(飛ぶ劇場)、永井秀樹青年団)、 中島佳子、端田新菜(ままごと|青年団)、山内健司青年団

Royksoppのビデオクリップ

 そういえば映像といえばRoyksoppというグループがあってこれが毎回凝りに凝ったビデオクリップを作っているのだけれどこのうちのひとつが以前に見たNibrollの作品と似たアイデアの映像(窓や絵などを使って次々と場所を移動していく)を使っていた。もちろん、映像のタッチとかは全然違うし、類似のアイデア(こちらは近づいて遠ざかるとその間に風景が変わっているというもの)は小川信夫が国立国際美術館でやっていた展覧会の映像作品でも使っていた。これは別に彼らがRoyksoppのビデオクリップのアイデアをぱくったんだろうと思っているわけではなくて、むしろこれはどちらにも共通の元ネタがあるんじゃないかと思っているわけで、大昔にピンク・フロイドのビデオクリップかなにかでそういうのを見たような記憶があるのだが、あれはなにだっただろうか。

 むしろ、紹介したかったのはRoyksoppのビデオクリップが面白いということで、これなんかはフルアニメーションなのだが凄いクオリティーの高さである。しかも毎回趣向の違うものが使われていて、これはただものじゃないと思う。もちろん、これだけテイストが違うとなるとひとりの映像作家が継続して作っているとも考えにくいので、選ぶ目においてということである。

 こちらは映像の視点が次々と移動していくものだけれどこれも面白い。ノルウェーのテクノ・グループということで全然名前も知らなかったんだけれど、You Tubeで見つけて、曲もけっこういいので一度でファンになってしまった。