振り返る私の2006

◎「振り返る私の2006」 中西理(中西理の大阪日記)http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/

1.維新派「ナツノトビラ」@梅田芸術劇場
2.五反田団「ふたりいる景色」@こまばアゴラ劇場
3.ポかリン記憶舎「煙の行方」@須佐命舎

私にとって今年(2006年)を象徴する芝居と考えた時に上記の3本となった。興味深いのは意図して選んだわけではないが、いずれも現実と地続きのような非日常との邂逅を描いた一種の幻想劇であることだ。スタイルはまったく異なるが、「死者ないし異界との遭遇」という伝統演劇である能楽に通底するような構造を持っており、それを単なる絵空事ではなく、舞台上でアクチャルに示現させる独自の方法論を持っている。維新派「ナツノトビラ」はこの集団がいまもなお進化を続けて、新たなフェーズに入りつつあることを示した道標となった舞台。五反田団の前田司郎もこの舞台と「さようなら僕の名声」の2作品で、平田オリザの重力圏から離れ、「妄想劇」という自らの立ち位置の独自性を明確に示した。「煙の行方」も単なる再演にとどまらず京都・須佐命舎という「場の力」を存分に活用した「見立ての演劇」という新たなアプローチを鮮明にした。