上方芸能原稿

 関西のコンテンポラリーダンスが最近すごく面白い。主として若手の振付家を対象にその年に上演された作品のうち8本を選び、最優秀作品(振付家)を審査するトヨタコレオグラフィーアワードが設立されて3年がたつがこのうち1年目に砂連尾理+寺田みさこ、3年目の2004年は東野祥子(BABY-Q)と関西を活動の拠点としている振付家・ダンサーが知名度では上回る東京の振付家を抑えてグランプリを受賞。これ以外のコンペでも関西勢は常連が何人も出てきて、いわば百家争鳴。現代演劇でいえば松田正隆ら関西の劇作家が相次ぎ岸田戯曲賞を受賞した時に似たような状況がこの分野で起こっている。
 ところが東京と比較すると関西ではダンスに普段、演劇を中心に観劇をしているような観客が足を運ぶことはまだ少なく、それがダンスが公演として自立しにい理由になっている。コンテンポラリーダンスといえば小難しく聞こえて、敷居が高そう。だが、実は最近はファッション性や娯楽性も兼ね備えた作品も多く、初めて見に来た観客が「これがダンス」と驚くようななんでもありの世界にもなっていて、それが日本のダンスの特徴ともなっている。
 実は情報誌などを中心に注目の舞台が上演される時の事前の紹介記事などは以前と比べると掲載が増えた。ところが残念なのは関西では同時にこの分野の「批評の不在」を嘆かざるをえないことだ。継続的にコンテンポラリーダンスの動向を紹介している雑誌媒体がほとんど存在しないし、フォローしている舞台評の書き手も限られている。
 せっかく盛り上がりがあっても、実際の舞台がどうだったのかという検証がされる場がないため、一般の人にはせっかくの活況がすんなりとは伝わりにくい実情があり、それをなんとかしないといけないと思うのである。