10時50分〜 「THE WHALE A ONE MAN MOBY DICK(白鯨)」 Assembly Rooms ★★★
 ニューヨークから来た78th Street Theatre Labによるメルヴィルの「白鯨」を原作としたひとり芝居である。男優(Adirofi)がひとりで水夫イシュタール、エイハブ船長、モビー・ディック(白鯨)を演じ分けていく。舞台上には帆船やボートの模型、白い布、ロープ、くじらを狙うモリのようなもの、船の骨組み(のようなもの)、白い箱が無造作に置かれていて、役者は芝居の進行に従ってそれらの小道具を「見立て」で使っていく。狭い室内空間に小道具と音響、照明効果が少し加わっただけで、空間が海の底、船上など千変万化に演劇的に立ち上がっていく瞬間はなかなかスリリングなものであった。荒れる海の様子や水中から船をうかがうモビーディックなど演劇にしにくい部分に短いソロダンスを取り入れて表現したのも効果的だった。
残念ながらひとり芝居だと台詞が私には聞き取りにくく、もう少し英語力があればなと悔しく思うところもあったが、それでも舞台自身は相当に面白いものだった。
 「白鯨」は西田シャトナーが最近シャトナー研で原作として取り上げたり、アメリカの劇作家の戯曲によって燐光群が上演した舞台「白鯨」などもあったが残念ながらどちらも未見。見ていればこの公演と比べることができたのにとそれも残念だった。
 
2時半〜 THE TRON THEATRE COMPANY「SAN DIEGO」ROYAL LYCEUM THEATRE ★★★★
 グラスゴーの劇作家、David Creigの新作である。まったく初めて見る劇団、作家ではあるが、やはりエジンバラ演劇祭の「オン」(国際演劇祭の正式招聘作品)のレベルは高いと思った。戯曲的には構成上やや疑問が残るところもないではないが、舞台の使い方、リアリズム一辺倒ではない演出はなかなか面白い。舞台上でのモニター画面の使い方などでテアトルド・コンプリシテの「エレファント・バニッシュ」を思い出したのだけれど、最近の英国では舞台上の各所にモニターを配置したりする演出ってのははやりなんだろうか。
 舞台上にいる役者のうち、現在の場面には関係しない俳優はすべて静止しているというまるで歌舞伎のような演出で、同時進行していくいくつかの事件が暗転なしに場面転換して映画のカット割りのように描かれていく。ロバート・アルトマン監督の「ショート・カッツ」を思わせるような群像劇である。物語はパイロットの親子を巡る3つの話とSAN DIEGOに不法滞在する青年が母親捜しをする物語の4つのストーリーがそれぞれ同時進行していく。

 8時〜 「SHANTIER MUSIL」★★★★
 10時〜 「Hamlet Machine」 無星