朝8時すぎの新幹線で上京。維新派「nocturne」(1時〜)を新国立劇場で観劇した。場面によって凄く印象的な場面がいくつもあったし、音楽的、演出的にも面白い試みが行われていて、さすがを思わせる出来栄えではあるが、物語の構造ラインは少し弱くて散漫なところも感じられた。たぶん、ここから何の前知識もなしに作者である松本氏が本来伝えたい物語の筋道を読み取るのは無理だ。特に最初の30分は水たまりを使って足のステップで音を出すヂャンヂャンならぬ「じゃぶじゃぶタップ」など印象に残る場面はあるが、登場人物の関係性やそれぞれの場面がなにを意味しているのかを読み取るには苦労を要し、ついに分からないところもあった。少年が老人に転生して和歌山に行って以降は事前に取材してだいたいのおおまかな物語の枠組みを聞いていたので理解できたが、東京の知人で維新派も初めてじゃなくて小劇場も多く見ている手だれの観劇者に聞いても満州に和歌山の後行ったことさえも伝わってなかったのでこれはそうとう分かりにくいのではないかと思う。
 えんぺの1行レビューには予習していくべきなどという書き込みがあり、それへの反撥の書き込みなどもネット上には出ているようだが、正直言って、虚心坦懐に見るのも、予習していくのも本人の勝手だが、会場に早めに行き、パンフを買って開演までに粗筋を読んだ方が気楽に楽しめます。維新派に意味を求めるなという人もいるようだが、少なくとも今回は「流星」などと違って筋はちゃんとあるのだし、台詞も単に聞き取りにくいというだけだなく、中国語なので聞き取れても絶対分からないものも多数含まれている。
 このためこれをどう評価するかは微妙なところで、ひとまず保留して、もう一度明後日公演を見てからこの日の印象が正当だったかどうかの判断を下すことにしたい。
 終演後、大阪から来た知人らと一緒に松本雄吉氏を交えて新宿に飲みにいく。以前、演劇情報誌jamciのライターでもあった東京在住の梶浦氏とひさびさに会って、演劇のこと、ミステリのことといろいろ話が出来たのが嬉しかった。話に夢中になって2人だけで話していた時間が長かったせいで一緒に同席していた他のメンバーには嫌がられたみたいだが……。