「北京の探偵」はトリのマークの公演としてはあまりにも薄味で以前からずっと懇意にして応援してきたし、面白いと思ってきた集団だけに最近の方向性についてちょっと危ぐを感じてしまった。これは「ギロンと探偵」の連作シリーズ作品の1作であり、本来これだけを取り上げてあげつらうのはフェアじゃないのかもしれないが、最近のトリのマークは公演数が多すぎて全部に付き合うのは物理的に無理だし、逆に毎回かならず来るような常連客が増えてしまったことで外から見ると閉じているという雰囲気を感じさせることも多くなっている。
 そしてなににもまして、作品の構造が2、3年前に比べると単調になっている。今回はシリーズもののせいもあるかもしれないが、こうした印象はこの作品だけではなくて最近の何作品かに共通して感じられることであり、やはり年間で14〜15回という公演回数はやはり異常だと思う。その準備の期間の少なさが本来この劇団の特徴であった観客に取って未知のイメージを公演という枠組みを通じて喚起されるというものだったのだが、俳優にあて書きされたようなキャラに頼るようなところが増えてきており、普通のファンはそれでも満足な人もいるのだろうが、私はトリのマークのそういうところが面白くて見ているわけじゃないし、戯曲だけを読んでも面白いであろうような戯曲内部の構造の面白さなどは薄れてきている気がして、物足りなくて仕方がないのである。
 もっとも、この舞台では元々、中国人の俳優を北京から招いて出演してもらうために動いていたのが、うまく行かなかったという経緯あったみたいで、それが実現していたらもう少し印象は違っていたのかもしれない。だが、実際の公演からは少なくとも今回のスズナリの舞台に関してはパワーダウンを感じざるをえなかった。この集団にはなんとかその活動の範囲を広げて、もう少し広い枠組みで活動できるようになってほしいと考えているので、固定ファンが付くのは悪くないのだが、活動の枠組み自体はそういうところで左右されてほしくないのだけれど。こういうことを書くと嫌われるかもしれないけれど、一度、こういうことは書く必要があるかもしれないと思ったのである。
 「グーツムーツの博物館」http://member.nifty.ne.jp/simokitazawa/review1-9.html

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 ここから始まるツリーも参考に。門さんとトリについて論争しています。