KYUPI KYUPI GRAND KAYO SHOW「CABAROTICA」

KYUPI KYUPI GRAND KAYO SHOW「CABAROTICA」(7時半〜、アートコンプレックス1928)を観劇。
 KYUPI KYUPIは映像作家の石原義正らによるパフォーマンスユニット。以前から評判は聞いていたのだが、なかなか見ることができず、今回はアートコンプレックス1928の小原啓渡プロデューサーが初のロングラン公演を仕掛けたことで、初めて生で見ることができた。
 張りだして設営されている舞台の奥に半透過のパネルがあり、裏から光りを当てた時だけそこが透き通って舞台奥のステージも見える仕組みになっている。映像は舞台奥のパネルと壁と客席から向かって右側の壁全体に映しだされる。右側の壁は途中に柱状のはりが張り出していて、3つの部分に分かれている。そのため、始まる前には3分割されたそれぞれ別の映像が映しだされているのだが、
パフォーマンスの途中ではそれが一体となって大スクリーンのようになるところがあって、映像を使う会場としては狭いこともあるが映る位置が客席のどこからでも近いのでなかなかに迫力があった。
 映像はカッコ良くてさすがのレベルを感じさせるが、ショー全体の印象はどことなくチープでキッチュ。そのギャップが面白いといえば面白い。この日は立ち見も40人近く出て大盛況。そうであるのに客席の雰囲気はそれほど熱狂的とかいうのではなくて、なぜかゆるーい感じもあって、そこのところもおかしかった。
 パフォーマンスにはドラッグクイーンショーめいたところがあるし、もともとは現代美術畑の映像出身の人たちが作っていることを考えるとどうしてもダムタイプを思い浮かべることになるが、映像はともかく、パフォーマンスはアートというよりは完全にエンターテインメントに徹していて、より大衆的な乗りである。
 ただ、歌とかダンスといった身体的なパフォーマンスに関してちょっとしんどいところもあって、正直言ってそれほどうまいとは思えない。このくらい長い公演を行うのは初めてということもあってか、ステージングもお世辞にもなめらかとはいえないし、ステージショーとしてのレベルを問いだすと疑問符もつく。
 それでも見ていてつまらないというわけではないのは映像のクオリティーの高さと全体のコンセプトにオモシロさがあるからだと思う。歌はまあ置いておくとして、ダンスなどは振付・出演者をもう少し舞台芸術の分野で経験のあるメンバーと入れ換えれば、全体の完成度は上がるとは思うのだが、だからといってそれでより面白くなるのかというとそうじゃないかもしれないって思わせるのが困ったところである。歌は確かにうまくはないのだけれどこの人あってのグランド歌謡ショーなのだから、仕方ないところもあって、ただ
ダンサーに関していえば例えばゲストでもいいから例えばやはりモンドの要素を持つCRUSTACEAとかを呼んでゲストで踊らせたら面白いのじゃないかと思った。まあ、この辺りは単純にちょっと見てみたいという程度の話にすぎないといえばそうなのだが。