小谷元彦展「Modification」

 小谷元彦展「Modification」(KPOキリンプラザ大阪)を見る。
 時間がなくあまりゆっくりとは見られなかった。それゆえ、漠然とした印象にならざるをえないのだが、この人の場合はそれぞれの作品についてはモノとしての迫力もあり面白くはあるのだけれど、全体を通して見た場合「これが小谷元彦」というイメージが浮かんでこない。そこがどうも気にかかるところである。ゆっくり見たいので、もう一度行こうと思っている。

Phantom-Limb (1997年)
実物大の少女像が並ぶ、5点組みの写真作品。少女は両手にラズベリーを握り締め、手のひらを真っ赤に染めており、それがキリストの聖痕をイメージさせる。なお、「Phantom-Limb」は、「幻肢」という意味。失ったはずの腕や脚がまだ存在するかのように、痛みやかゆみを感ずる現象をいう。

Berenice (2003年)
巨大な白い球状の作品。コアの部分を抜いて、打ち捨てられた核爆弾をイメージして作られた。不気味な威圧感を醸し出す。ヴェネツィアビエンナーレ出品。

Skeleton (2003年)
全長4メートルある巨大なつらら状の彫刻。タイトルのとおり、肉体が変容し、“骨”になっていく過程の一瞬の姿をイメージした作品。ヴェネツィアビエンナーレ出品。

Rompers (2003年)
映像作品。グロテスクで不気味だが、どこかユーモアを感じさせる、近未来的な印象のミューテーションされた「幼児番組」。ヴェネツィアビエンナーレ出品。

新作1
バンビの剥製を使った作品。制作中。

新作2
人体、もしくはキノコをイメージした作品。制作中。

Rompers (2003年) photographic works
Rompersの写真シリーズ(3点)。

9th Room (2001年)
鏡を張った立方体の部屋の内側に、イメージ映像を投影した、体験型映像インスタレーション。ダンテの『神曲』に登場する地獄の最下層にある9番目の部屋、また京都の養源院の血天井からインスピレーションを得て作られた。

プロフィール
小谷 元彦(おだに もとひこ)
1972年京都府生まれ。97年東京芸術大学大学院美術研究科修了。同年、東京・Pハウスにて初個展「ファントム・リム」を開催。白鳥の剥製や鮫の歯など、アートの領域には収まりきらない素材を使った作品で脚光を浴びる。99年イタリアのサンドレッド財団でフューチャープラン賞を受賞。2000年リヨン・ビエンナーレ、01年イスタンブールビエンナーレなど国際展に次々と出展。03年ヴェネツィアビエンナーレに日本代表アーティストとして参加。身体の“変異”や“変容”をテーマに近未来的世界を展開。世界中のアーティストが優れた作品を発表する中、大きな注目を集めた。