キリンプラザ大阪でアートドキュメンタリー「メガロマニアに至るまで」(監督青木兼治)、「湊町アンダーグラウンドプロジェクト」、「This is a story of … S.M.L.」(graf)「を見る。
 キリンプラザ大阪での関西からのアート情報発信を目的とした新プロジェクト「KPO ARTMEETING」の第1弾として行われた「映像の中の芸術家たち」でアートドキュメンタリー3本を見た。「メガロマニアに至るまで」(監督青木兼治)はヤノベケンジ*1、「This is a story of … S.M.L.」は奈良美智*2のそれぞれ行った個展の準備風景を中心にそれぞれのアーティストのひととなりを紹介したドキュメンタリーである。
 この2つの個展はいずれも大阪で開催されたもので、実際に展示は見ていた(注を参照)のでこういう形で舞台裏をのぞいてみると確かに展示だけでは分からないことがいろいろと分かってきて面白い。特にヤノベケンジの「メガロマニアに至るまで」は一部の映像は実際に展示のなかでも使われて見たことがあるものも含まれていたが、こうしてもう一度大画面で見てみると映像ならではの迫力が伝わってきた。
 ただ、現代美術の展示というのはこうしてもう一度映像で見直してみるとなぜか実際の展示の印象よりもよく見えるのはなぜなのだろうか(笑い)。特にヤノベケンジの「ヤノベケンジ近作展 MEGAROMANIA」は感想ではショボい感じに思わず笑ってしまうのだと書いて、それを知り合いの現代美術通の人に言うと「あれは現代美術の展示の中ではしょぼくないほうだ」としかられてしまい、そのことで私の個人的な認識のなかで現代美術=しょぼいという観念をより強固なものとしたいう意味では記念碑的な個展だったのだけれど(笑い)、
その人の言ってたこともその後、立て続けにいろんな展覧会を見る機会が増えるにしたがいなんとなく理解はできるようになってはいる。でももっとしょぼい展示をいろいろ見たせいもあってか、今映像で見せられるとなかなかゴージャスに見えてきたりするから、慣れというのは恐ろしいものである(笑い)。
しかし、この映像を見てもやはり、この人の持ち味というのはある意味壮大なコンセプトとやっていることの馬鹿馬鹿しさとのギャップにあるのじゃないかということを再確認させられた。それにしても冒頭の壮大かつ劇的な音楽に乗せて、ヤノベが登場する場面のミスマッチ感覚というのはやはり笑ってしまうし、青木兼治監督というのはそういうところがよく分かっている人だなと思った。