森山大道「犬の記憶 終章」

 森山大道「犬の記憶 終章」*1河出文庫ISBN:4309474241
 写真のことにはまったく門外漢なのだが、このごろこの人のことはいろんなところで耳にする機会があって、とりあえずどういう人なのか知りたくて文庫本になっていた2冊を読んでみた。いくつかの作品は散見したことがあってどうもアングラっぱいなあと思っていたのだが、直接舞台活動などを一緒にやったことはなくとも寺山修司と関係のある人だというのが分かってやはりそういう世代の人だったのかということが分かり、興味深かった。
 初期の作品がいくつか本人のサイトで紹介されていたのでそれも見てみたのだが、その中の「にっぽん劇場写真帖」などはいかにも寺山好みという作品である。というのは正確さを欠く。これは私にはまさに寺山の世界をそのまま写真にしたアングラ写真集のように感じられたのである。
 もちろん、こういうのは寺山が特にどうだというよりも、より正確にいえば寺山や唐が演劇でやったこと、森山大道が写真でやったことがそれぞれ時代の空気を表していて、それが今見るとある種のシンクロを起こしているように同質のものとして感じ取れるということがあるのかもしれない。