「マラーホフの贈り物」

 マラーホフの贈り物」フェスティバルホール)を観劇。

○ プログラム
【第1部】
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、アンドレイ・メルクーリエフ
「ラクリモーサ」
振付:エドワード・スターリー
音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ライナー・クレンシュテッター
アヴェ・マリア
振付:ドワイト・ローデン
音楽:ジュリオ・カッチーニ
サンドラ・ブラウン、デズモンド・リチャードソン
「マノン」より“寝室のパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
ディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジミール・マラーホフ

「ライモンダ」よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ルートヴィッヒ・ミンクス
ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・ウヴァーロフ

【第2部】
「アポロ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
ウラジーミル・マラーホフ、ディアナ・ヴィシニョーワ
ポリーナ・セミオノワ、コリーヌ・ヴェルデイユ

【第3部】
「黄金時代」
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・ウヴァーロフ
アダージョ
振付:アレックス・ミロシュニチェンコ
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
アンドレイ・メルクーリエフ
「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン
音楽:ポリス・アサフィエフ
コリーヌ・ヴェルデイユ、ライナー・クレンシュテッター
「レイトリー」
振付:ドワイト・ローデン
音楽:スティーヴィー・ワンダー
サンドラ・ブラウン、デズモンド・リチャードソン
「コート」
振付:デイヴィッド・パーソンズ
音楽:ロバート・フリップ
ウラジーミル・マラーホフ

 ウラジーミル・マラーホフの企画によるガラ公演。以前にも書いたが、最初はこの公演には目玉的存在としてルシア・ラカッラがキャストされていて、得意のローラン・プティ作品ほかの演目を踊るはずだったのだが、彼女が参加しなかったことで、よくも悪くもウラジーミル・マラーホフ本人の存在感だけが突出していた印象となってしまった。
 印象に残ったのは「マノン」の“寝室のパ・ド・ドゥ”(ケネス・マクミラン)。というか、本当の意味で素晴らしいと思ったのは残念ながらこれ1本といってもいい。「コート」はアイデアは面白い作品で客受けもよかったのだが、すでに何度か見ているので何度も見て面白いほどの深みがあるかというとちょっとなあというところ。
 このプログラムのなかの核はバランシンの「アポロ」だと思うのだが、悪くはないのだけれどやはり私はバランシンをどんな風に見たらいいのかピンとこないというのを再認識させられた。というか、バランシンはこれでよかったのだろうか。私には3人の女性ダンサーの動きがバラバラでそろっていないのが気になって仕方なかったのだが、私が思っているのと違ってそんなに厳密さは要求されないのだろうか。
 ダンサーは悪くはないのだが、それ以外のモダン系の作品は振付がどうにも古色蒼然といった感じ。ロシアとアメリカンモダンダンスで、マラーホフのキャリアから言えばあまり現代的な感覚の振付家とは接点がないのかもしれないが、やはりモダンダンス系のバレエが2本入っていたのが大きいだろうか。
プログラム的にもマクミランに加えて、プティも入っていて、バランシン、プティパだったらもう少しバランスが取れたかもしれないのだけれど。
 ここまで貶しといてなんだが、マクミランのディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジミール・マラーホフは妖艶な感じがうまく出ていてよかった。ヴィシニョーワは全幕バレエの主役で見てみたいと思わせるダンサーではあった。