DANCE CIRCUS26(アートシアターdB)

 DANCE CIRCUS26(アートシアターdB)1日目を観劇。
 鳴海姫子、大槻弥生、小野良子、Lolo-Lolo、Asha and dd.punchの5組。

■鳴海姫子「天地」
作・出演:鳴海姫子 映像:水野宏之演奏:あわ屋(音響)タラ(ディジュリドゥ)林哲至(笙)
■大槻弥生「ライフ」
振付・構成:大槻弥生 出演:鈴木定子 柳瀬雅美 大槻弥生
■小野良子「心もよう」
作・出演:小野良子
■Lolo-Lolo(ローロ-ローロ)「innocent(イノセント)」
作:田岡 和己 出演:井口 明子 大浦 樹 川田 正美
■Asha and dd.punch「壺ニアン」
作・出演:布谷佐和子 音響制作:小村健介 衣装:dd.punch

 ひさしぶりのアートシアターdBである。DANCE CIRCUSは新人発掘を主たる目的としている企画でそれゆえ玉石混交なのだが、最近はなかなかこれといった光る玉に出会う機会が少なく、知人のダンス評論家に「関西はレベルが低い」などと言われてもなかなか言い返せず悔しい思いをしていた。
 そうした中で今回の公演ではLolo-Lolo「innocent(イノセント)」が抜群によかった。振付の田岡和己は大阪体育大学出身。アメリカ(ニューヨーク)にダンス留学してしばらく向こうで活動した後、帰国し、大学同窓の矢内原美邦の率いるニブロールにダンサーとして参加。大阪芸大出身でマキノエミのカンパニーなどで活動していた井口明子らと一緒に昨夏にLolo-Loloを結成*1した。
 「innocent(イノセント)」は3人の女性ダンサーによるトリオ作品で、子供の無邪気さをダンスに仕立て上げたものということだが、表現されるのは単に無邪気とか純真ということでもないパンクな子供像。最近の日本のコンテンポラリーダンスのひとつの傾向となっている「こども身体」系のダンスといえるが、ダンサーが突然「やめてー」と大声で叫びだしたり、花いちもんめのような遊びのような演劇的な要素を取り入れながらSound Designerの濱谷光太郎のオリジナル音楽にのせた振付は軽快でポップな感覚にあふれスピード感もあって飽きさせない。
 課題を挙げればよくも悪くもニブロールを連想させるところが多いことだ。ムーブメント自体はバレエ、モダンダンスなどの経験のある踊れるダンサーをそろえていることもあって、ニブロールと比較すればよりダンス的に処理された動きが多いし、振付のなかにはヒップホップ的なアクロバティック動きも取り入れるなど単純に模倣ではないオリジナリティーがそこにはあると思うのだが、ダンサーが腕の引っ張り合いまがら突然叫びだすところなどニブロールを持ち出されても仕方がないほどの典型的なニブロールらしい演出も登場する。このあたりは真似に見えないようにどう違いを強調していくかに工夫のしどころがあるかもしれない。
 期待の新人というにはキャリアがありすぎるけれどもはひさびさに関西に登場してきた本格的なダンスカンパニーとして昨年の旗揚げ公演を見て以来、ひそかに期待をしてきたのだが、今回の舞台は期待にたがわぬ面白い舞台。8月末に予定しているという本公演が楽しみになった。
    

*1:旗揚げ公演の模様はこちらhttp://member.nifty.ne.jp/simokitazawa/new03-08.html