トリのマーク「花と庭の記憶-向島-その1 測量士バム、ブシュカル山」

 トリのマーク「花と庭の記憶-向島-その1 測量士バム、ブシュカル山」*1(現代美術製作所)を観劇。
 「現代美術としての演劇」。アサヒビールアートフェスティバル2004に参加してのトリのマークの公演「花と庭の記憶-向島-」にはそんな言葉を贈りたくなった。「場所から発想する演劇」として、既存の演劇の枠組みを超えて外部へと出ていこうというトリのマークの戦略には中ハシ克シゲの「ZEROプロジェクト」や小島剛の「なすび画廊」(現代美術)とかMonochrome Circusの「収穫祭」や伊藤キムの「階段主義」(コンテンポラリーダンス)とかのように劇場・美術館のホワイトボックスに代表される近代主義からの超克としてのポストモダニズムの流れをアートのジャンルを超えて想定するほうが、うまく評価軸を設定できそうだからである。
 この企画は向島周辺での3つの公演によって展開されるもので、第1弾が現代美術製作所での「花と庭の記憶-向島-その1 測量士バム、ブシュカル山」。これはギャラリーのホワイトキューブの壁に緑色の粘着テープを貼り付けて風景を描いていくパフォーマンスであった。
 現代美術の企画ギャラリーとして運営されているこの空間は元々は現在のオーナーである曽我高明さんの祖父・馬次郎氏が創設したゴム製品の工場だった。作品を創作するに当たって、作演出の山中正哉が曽我さんやその家族からこの場所にまつわる話を取材し、この公演ではそれを場所の記憶として、パフォーマンスがはじまる前には真っ白であった壁にライブペインティングのようにテープを貼り付けて描いていくことで、葦の繁る川岸の光景、その岸に立つ工場、川に浮かぶ船、どこかの国にあるゴムの木と描きだしていく。
 
 
 アサヒビールのアートフェスティバルでの第2弾トリのマーク「プシュカル山カフェ」(京島@カフェR+)の期間限定カフェ・プシュカル山でのリーディング公演につながっていく。これはさらに9月に向島周辺の庭園で行なわれる野外公演へとゆるやかにつながっていく予定。トリのマークは今年は8月には新潟県松代町(越後妻有)で行なわれる「大地の芸術祭 越後妻有2004夏」に参加、アーチスト・イン・レジデンスで舞台を制作。10月10、11日には待望の京都公演(西陣ガーデン)も予定されている。

*1:公演の模様はhttp://www.bananawani.org/tori/から公演風景へ