桃園会「中野金属荘、PK戦」

 桃園会「中野金属荘、PK戦アイホール)を観劇。
 相変わらずの桃園会、深津篤史節である(笑い)。芝居を評するのにうかつに分からないという言葉を使うのは好きではないのだが、まあ、これは分からない芝居といっていいだろう。とはいえ、「うちやまつり」のように皆目分からないというようなものというわけではなくて、倒産してしまったらしい中野金属という会社の社員寮の一室を舞台にした一場劇であり、一見とっつきやすいような顔をしているところがなんとも始末が悪い。スタイルとしては会話劇を装っていて、例えば、先日上演された松田正隆のマレビトの会「島式振動器官」のようにイメージのコラージュとしていかにも前衛的なものではないのだが、だからこそ、場面ごとの脈絡を解釈しようと試みることを観客に強いるようなものでありながら、一見日常を装ったような会話の切れ端に意味ありげだけれどよく分からない単語が突然登場する。そして、コンテキストからなんとかその意味を汲み取ろうとするとこれがなかなか謎めいていて難物なのである。
 表題の「中野金属荘、PK戦」だが、サッカーとは関係ありませんとサイトの内容紹介などで強調していたので、これはPK(サイキック=超能力)すなわち超能力戦争の話なのだろうなと予測して劇場に向かったのだけれど、それは結果的には当たっていたようなはずれていたような……。超能力の話題は確かに登場はするし、近未来SFの世界じゃないのももちろん予想の範囲内なのだが、なんとなくそれは物語の背後に隠れたままなのである。
 背後には新興宗教めいた話も見え隠れする(例えば「公安」それとも「警察」という台詞とか)ようだが、それもこの舞台だけでははっきりとはしないのだ。
 もう少し考えてみたいのでここでは結論をさけるのだけれどいくつか意味不明のことがあって考えあぐねている。まず、この芝居の台詞にたびたび登場する「蜂の王」というのはなんなんだろう。この芝居のコンテキストから言えばどうもロールプレイングゲームに登場する敵キャラみたいなのだけれど、私はその分野に詳しくないので。だれか分かる人いますか。