吾妻琳/天游館ダンスパフォーマンス公演「相性レッスン」(アートシアターdB)を観劇。
 吾妻琳は本人のソロの短いものは何度か見たことがあったのだが、グループ作品を見るのは初めて。吾妻琳本人は舞踏の出身で、その動きもそういう匂いを色濃く残したものではあるのだが、それ以外のメンバーはまったく、あるいはほとんどそういう素養のない若いダンサーで作品自体も明らかに「舞踏ではないなにものか」を志向していた。その意欲と意図は買いたいところだが、今回の公演を見る限りでは「舞踏ではないなにものか」がどういうものかの具体的な見取り図がないままに作品が構築されている感が強く、取りあえず作ってみたシーンを並べてみました、というようにしか見えなかった。
 アロハシャツを着た若いダンサー2人が踊るシーンなどシーンとして面白いところはあったのだが、そうした面白さが作品のなかでは単発に存在している感が強く作品全体としてはイメージがひとつの焦点を結ばないところがあって、これはやはり舞台上にバラバラの身体性のパフォーマーがバラバラにいて、それをつなぐようなディレクションを作品を構成している吾妻が提示しきれていないということに理由がありそう。吾妻は参加しているダンサーに舞踏のメソッドや身体訓練などはいっさいしてないということで、それは「脱舞踏」を試みるうえではひとつの選択肢ではあるが、だからといって集団としての身体論がなにもないところから作品を作ろうというのは難しいのではないかと思った。