Ugly duckling「フルオーケストラ」

 Ugly duckling「フルオーケストラ」HEP HALL大阪)を観劇。
 本公演が2回続いて再演ものだったため、Ugly ducklingの公演としては「くちなしジョッキィ」以来ひさびさの樋口美友喜の新作である(演出は池田祐佳理)。なにか犯罪をおこしたかして少年院(のようなところ)に収監されている少年と少女。遺跡となってしまった街を再現しようとしている人々。闇市のような場所で出会う男女を中心とした物語。3つの物語が並行して進行していき、最後に1つの流れになっていくという構成だが、この日はあまり体調がよくなくて、そのせいもあったかもしれないが、3つの物語の関係性がちょっと分かりにくい。後者2つに関しては前の話が後の話の後日談だというのが物語の進行にしたがってなんとなく分かってくるのだけれど、その2つの物語と少年少女の話との関連性がもうひとつはっきりしないのだ。
 最近の関西の女性劇作家の主流が群像会話劇のスタイルとなっているなかで、入れ子をはじめとする多重構造を多用し、幻想味の強い世界を展開していくのが、樋口美友喜の特徴ではあるのだが、作品的にうまくいっている時には現実に近い日常的なフェーズと寓話性を匂わせる幻想部分のバランスがうまくとれているのだが、どうもこの芝居の場合には日常的なフェーズの書き込みが甘いのとそれぞれのフェーズの関係がゆるいことで、全体としてのまとまりに欠ける印象を受けた。