金森穣Noism04「black ice」

 金森穣Noism04「black ice」びわ湖ホール)を観劇。
 うーん、どうなんだろう。ダンス作品としてのクオリティーはそれなりに高いから評価をする人はいるだろうけれど、私としては日本のコンテンポラリーダンスという文脈でこの作品を評価してはいけないのではないかと思った。「ムーブメントのボキャブラリー」「作品の今ここでの現代社会への切り込み方」のどちらにも本当の意味でのオリジナリティーが感じられなかったからだ。ムーブメントは基本的にはユーロクラッシュ系の動きとバレエのアマルガムで、経歴から言って仕方ない面もあるが、国内育ちの振付家と比べるとヨーロッパのダンスコンテンポラリーヌの影響が生のまま出てきている。そこにはいっさい日本人としての身体性もないし、欧米のダンスの枠組みに疑問を抱いてない感じがありありなのだ。まだ、若い振付家であるからそれ以上を求めるのは酷なのかもしれないが、すでに一定以上の評価を国内では受けている人だけにそこには不満を感じざるをえなかった。ただ、ダンサーの技量は相当に高いし、それを構成していく金森にも振付・構成・演出面で巧さがあることは確か。特に以前から感じていたことだが、この人は欧州を中心に大舞台を踏んできたせいか、大空間における空間演出の力は若手の振付家のなかでも抜きん出たものを持っており、今日の舞台でもそうした長所は十分に発揮された。
 この日のもうひとつの注目は高嶺格の映像・舞台美術だったのだが、こちらの方は面白かった。