森万里子 縄文―光の化石 トランスサークル展」東京大学総合研究博物館小石川分室)*1を見る。
 森万里子の本格的な作品展示を見るのはこれが初めて。今回の展覧会は博物館の1階、2階を使って3つのインスタレーションを中心に森のスケッチやこのテーマの発想の基となった実際の遺跡の写真などを組み合わせて構成されている。
 入り口のすぐ右手の1階に置かれているのが「プライマルメモリー」。博物館の柱を遺跡の外側に屹立する木の柱に見立てて、その間にルーサイト製のオブジェが縄文時代の環状列石を模して配置されている。ルーサイトの白く輝くような質感が非常に美しい。この近くに立つと本物の神聖な空間に入ったような気持ちにさせられる。
 今回のメインといえそうなのが「トランスサークル」。暗い部屋に玉砂利が円形に敷かれていて、そこにコーリアン製のなめらかな石柱が8本円形に並べられている。石柱にはLEDが仕込まれていて、七つの惑星を表したパステルカラーで発光し、時間に合わせてそれぞれの石柱の出す光の色が変化していき、幻想的な雰囲気をかもしだす。
 2階のもうひとつのインスタレーションは「ムーンストーン」。ルーサイト製の四角い台座の上にコーリアン製の丸い石が乗せられていて、白く見えるこの石が発光することで潮の満ち引きを表現した。
 東京大学総合研究博物館小石川分室という建物自体も小石川植物園の庭園の横にあって、とてもいい雰囲気の洋風歴史建築物であり、この日はあまり時間がなかったが、もう少し時間に余裕のある時に来て、落ち着いた気分で周辺の雰囲気も含めて満喫したいと思わせるとてもいい展覧会だった。