日米振付家レジデンシープロジェクトin京都

日米振付家レジデンシープロジェクト(京都芸術センター)を観劇。
 日本からは天野由起子(東京)、北村成美(大阪)、アメリカからはOri Flomin (New York)、Tania Isaacs (Philadelphia)、Sara Sweet Rabidoux (Cambridge)が参加。それぞれの都市に滞在しながら交流し作品を共同で創作するという国際交流プロジェクトである。
 共同創作した作品だけを上演するのかと思っていたら、この日はそれぞれのソロ作品を共同で作った短いシーンでつなぐというミックスドプログラムで天野由起子、北村成美のソロ作品が見られたという点でお得感の強い企画であった。
 天野由起子「コノ世ノ」は日本では「踊りに行くぜ!!」の札幌で一度だけ踊ったという新作。3月の「踊りに行くぜ!!」in東京でも上演することがすでに決まっているが、この日のはそれに向けてのワーク・イン・プログレス的な意味合いも持たせたショート・バージョン。この人のダンスではきめ細かな表情をつけられる足での表現に特徴があるのだが、この作品では前半部分ではかがみこんでのすり足で細かくフロアを移動するのだが、そこでは足はずっとスカート状の衣装に隠れていて、上半身だけのダンス。得意技を封じたうえでどれだけの表現ができるかというのが、見ものだがこれがなかなか面白い。後半は一転して、上半身を真っ直ぐに客席に向けて正対させて、足さばきだけのダンスになる。これだけでも面白くはあるのだけれど、ここからどう展開していくなんだろうという前に終わってしまうので、少し物足りなさも残る。東京公演までにはこれがどういう風に変わっていくのかが楽しみにしたい。
 北村成美「うたげうた」は以前アートシアターdBの「シゲニカルゲート」で一度だけ見たことがあるソロ作品の再演だが、その時はしげやんには珍しく静謐な作品というイメージが強かったのが、よりエネルギッシュな作品に生まれ変わっていて、びっくりした。
特に中盤あたりからかなり激しい動きが続くので、昨年の故障のこともあって、少し心配になるほどなのだが、この日の動きからは体の状態も悪くなさそうで、「しげやん完全復活」が近いことを思わせた。コンテンポラリーダンスコンテンポラリーアートであり、その意味ではダンスという枠組みでなにを表現するのかということはいつでも問題になるわけだが、この人のダンスはそういうことを超えた踊る喜びに満ち溢れていて、それは特に故障の後により強く感じられる。「踊れる喜び」というのが直接観客に伝わってくる気持ちのよさがこの日の舞台にはあって、どうしても小難しいことを考えざるえない部分はこのジャンルにはあるのだけれど、ダンスにはもっと根源的な魅力があるんだということを思い出させてくれるような舞台であった。