エラリー・クイーン「クイーン談話室」

エラリー・クイーン「クイーン談話室」(国書刊行会ISBN:433603611X

探偵小説収集狂の進化の4段階、カーとロースンのアイデア交換秘話、作家のサインの値段、有名作家が選んだ究極の名作リスト、世界最初の女性探偵、ペンネームの選び方、タイトルの解剖学、紳士探偵の性生活、名探偵のトレードマーク、等々、本格ミステリの第一人者にして名編集者クイーンが披露する、ミステリをめぐるさまざまな話題、EQMMの興味津々の編集裏話を満載。該博な知識と軽妙な語り口で人気を博したミステリ・エッセイの名著中の名著。付録として、合作方法、代作問題などクイーンの創作の秘密に迫る小伝を付す。

 だいぶ以前に購入して未読になっていたものが引越しのダンボールのなかから出現。さっそく読んでみた。ミステリ作家、エラリー・クイーンのエッセイをまとめて収録したもので、いくつかはいろんなところで前に読んだことがあるものではあるのが、こうしてまとまった形で読んでみるとやはり面白い。エラリー・クイーンについてはいつかまとまった論考を書いてみたいと思っているのだが、それは京大ミステリ研時代からの懸案事項だから、書かないで手をこまぬいているうちに20年以上がたっていたりして(笑い)。
 クイーンといえば普通はレーン4部作や国名シリーズなど初期の作品群が代表作とされ、挑戦状をつけたりしてフェアプレーを重視した純粋パズラーの作家と見なされているのだけれど、私はこの人のミステリ作家としての本領は「盤面の敵」「十日間の不思議」「第八の日」「悪の起源」といった中期以降の作品群にあると考えている。それはこうした作品群においてまだ前期の作品においては露わな形では出てこなかったこの人の論理の特異性が極限的な形で露呈してくるからである。それがなにかというと……。