「鉄人28号」

映画「鉄人28号(冨樫森監督)をシネフェスタで見る。
 だれにでも薦められる映画ではないのだけれど、個人的にはこの映画すごくよかった。これだけわくわくした気持ちで映画を見られたのはいつ以来だろうか。実はこの映画を見るまですっかり忘れてしまっていたのだが、私が子供のころ周囲は鉄腕アトム派と鉄人28号派に分かれていて、このところ鉄腕アトムリバイバルブームなどもあってすっかり鉄人のことなど忘れていたのだが、私は「鉄人」派だったことを思い出したのだ(笑い)。もちろん、当時もアトム派の方が圧倒的に優勢だったし、漫画としてのクオリティーや深みを比較してみても、鉄人とアトムではまるで勝負にはならないのだけれど、やはり、人工知能ロボットであるアトムにはどう頑張ってもなれないし、別になりたくもないから、子供心に感情移入しにくかったのに対して、正太郎にはなれそうな気がしたのが、その理由かもしれない。
 そういえばロボットものには鉄腕アトムに代表されるような人工知能ロボットと操縦機で操縦するタイプのロボットの大きく分けて2つの系譜があり、後者の系譜はやがてジャイアントロボガンダムをへてエヴァンゲリオンへと流れていく流れを形成していくのだが、その中でも私はパトレイバーが好きで、アニメも漫画もすべてわくわくしながら見て(読んで)いたのだが、その時にはうかつなことに気がつかなかったのだけれど、それは私が鉄人派で、ロボットもののなかでパトレーバーが一番鉄人に近かったからではないからかということにもこの映画を見ていてはじめて気がついた。
 映画自体についてはそれこそつっこみどころ満載なのだが、実写版「サンダーバード」も「ローレライ」も「ちょっと」と思ったのにこの映画については強引な展開もチープな特殊効果も不思議にすべて許せてしまったのが不思議だ。ただ、ひとつだけ解せなかったのは鉄人がやれると操縦している正太郎も痛がっていたことで、これなぜだか全然説明がなかったけれど、もしこれが正太郎の特異な体質のせいではなく、操縦機の属性だとすればこれはどう考えても闘いの時に目茶目茶不利だと思うのだが、どうなんだろうか。
 鉄人の基地に維新派が「カンカラ」を公演した懐かしい犬島がロケで使われていたのもうれしかった。特に犬島上空を飛んでいく鉄人には感動したなあ。それと主題歌をそのまま使ってくれたのもよかった。「鉄人28号」の主題歌のあのいい加減さ、能天気さ、シュールさが大好きなのである。あの歌の作者が三木鶏郎だったということを今回初めて知ってびっくりした。どうせなら映画では「進め正太郎」も使ってほしかったんだけれど。