ユリイカ百貨店「快晴版 センセ、」

ユリイカ百貨店「快晴版 センセ、」(アートコンプレックス1928)を観劇。
 この集団を見たのは昨年6月の「ナイトライダー」という舞台に続き2度目なのだけれど、
その時と比べると作者の世界観はよく伝わってくるし、完成度も高まっている。舞台美術とか、空間の作り方にはけっこう感心させられたところもあったし、なかでも時計があいて、そこが絵のようになったり、映像になったりするというアイデアは小劇場演劇のレベルを超えた処理の仕方のうまさを感じさせられ、面白かった。
 うーん。ただ、これから書くことはちゃんとしたレビューというよりはかなり私的な感想なのでそこのところをくんでほしいのだけれど、はっきり言ってこういう芝居は苦手だなというのが、そのあたりのところが出来上がってきたので、逆に強く感じられてしまった。
 冒険小説を書いていた小説家がある出来事で自暴自棄になっていて、やる気をなくしていたのを、その小説を愛する編集者や小説の登場人物、さらに亡くなった小説家の恋人が力を合わせて、生きがいを取り戻させる。
 よくも悪くもメルヘンの世界であって、そのこと自体は別にだからだめだということではないのだけれど、この集団の舞台の場合、そのメルヘンには悪意が不在なのである。
 大学生のころとかもっと若いころに見ていれば印象は違ったのかもしれないのだけれど、
この舞台はおじさんにはちょっと恥ずかしくて、見ているうちにいろんなところがむずむずしてくるようで、ちょっと入っていって共感するという風にはいきかねる。そんなすれっからしになっている自分が自分で悲しくもあるが、これだけはもう後戻りがきかないのであった。逆にいえば私には無理だけれど、この舞台に感動できた人は幸福だと思う。これは皮肉でもなんでもなくそう思った。