「gallerism2006 現場だ!」(大阪府立現代美術センター)

「gallerism2006 現場だ!」を(大阪府立現代美術センター)を見る。

展覧会期/10月30日(月)-11月11日(土)
開館時間/10:00-18:00(最終日のみ16:00まで)
日曜休館・入場無料
会場/大阪府立現代美術センター(展示室A・B・地下広場) →地図
主催/gallerism2006実行委員会・大阪府立現代美術センター

 京阪神の現代美術画廊14画廊が集まって組織する「gallerism2006実行委員会」と大阪府立現代美術センターが主催する毎年恒例となった「gallerism(ギャラリズム)」。今年は14画廊が参加します。画廊からの推薦作家で構成する作家の作品を一度に鑑賞できる機会であるとともに、現代美術の社会的需要と支持層の拡大を図る事をコンセプトとしています。 3回目となる今回のサブタイトルは、「現場だ!」としました。画廊は、作品を不特定多数の鑑賞者の前に解放する舞台であり現場であると共に、作者が自らの完成を社会に発表する現場でもあるという思いをストレートに表しています。会期中、オープニングトークをはじめトークショー、ライブパフォーマンスなどイベントも多数開催いたします。是非ご高覧ください。
※会期中、展覧会カタログを無料配布いたします。
【お知らせ】
今年も俳人の杉浦圭祐さんが、出品作品を一句五七五に詠む試みをブログ形式にて公開されています。最終日に会場にて発表。その過程を是非ご覧ください。
http://gallerism2006.sugiurakeisuke.com/

【参加画廊/作家】
アートスペース虹/人長果月(映像インスタレーション)
天野画廊/瀬戸理恵子(立体)
楓ギャラリー/ 木藤祐美(平面)
画廊編/ぎゃらり かのこ/山本恵(立体)
ギャルリOU/七野大一(インスタレーション)
Gallery OUT of PLACE/森村誠(平面+立体)
Gallery Den/水垣尚・岡本和喜(インスタレーション)
ギャラリー白/冬耳(平面)
Gallery H.O.T/鍵井保秀(インスタレーション)
アートスポットギャラリーマーヤ/谷内一光(平面)
GALLERY wks./竹之内聖司(インスタレーション)
CUBIC GALLERY/谷口順子(平面)
信濃橋画廊/佐々木昌夫(平面+立体)
番画廊/出原司(平面+立体)

encore exhibition/企画展示* 木内貴志(インスタレーション

  今回の最大の目玉は昨年のこの展覧会に出展した作品が非常に人を食った面白いもので、この人はすごいと思った木内貴志。昨年の年末に書いた「2005年年間ベスト(現代美術)」*1でも紹介したのだけれど、「お笑い現代美術」の旗手である。
もう一度書き直そうかと思ったが、けっこう分かりやすく書けていたのでもう一度ここに再録しておくことにする。

 現代美術にはけっこう笑っちゃうような作品が多いように思うのだけれど、一度そういうレッテル(ネタモノとか、お笑いとか、関西系とか)を貼られると被差別的な境遇に置かれて、なかなかまともには取り扱ってもらえないような雰囲気が現代美術界には感じられる。演劇にしてもダンスにしても、あるいは文学を例にとっても笑いというのは表現において非常に重要な要素で、それだけの主題で批評も書かれていて、例えば文学を例にとればユーモア小説やファルスなどそれだけでもひとつのサブジャンルをなすほどのものであるのにこと美術、特に現代美術においては「笑い系の現代美術」などというものは聞いたことがないし、「ハイアート」はそういう下世話な要素は他のジャンルにまかせて、私たちは孤高の道をいうというような生真面目なところがあるみたいだ、というのがこれまで現代美術を見てきて感じる雰囲気。
 そんなところに一石を投じたのが、木内貴志がキュレーションをしたグループ展「展覧会の穴」。大上段に振りかぶった言い方をすれば「お笑い現代美術」という新たなジャンルを提唱した意欲的な展覧会といっていいかもしれない。本当はこの「展覧会の穴」こそ、今年の美術展示のなかで1位に持っていきたいところだったのだが、そうはできずに4位などという中途半端なところにいれてしまった自分が哀しい。
 実は木内貴志は同じ会場で昨年12月にも「木内貴志展 キウチトリエンナーレ2004 名前と美術」という人を食った名前の個展をしていてそのなかの記帳台に置いてある芳名録に記帳をしてくるだけで、ギャラリーを実際に回ったような気分になれるという「妄想ギャラリー巡り」という作品がむちゃくちゃ面白かったのだが、昨年の年間ベストでは入れ損なっていて(というか、おそらくまだ悟りがえられず、入れる勇気がなかった)のが悔やまれるところなのだが、今年はこれだけじゃなくて「gallerism2005」にも、「画廊の支店」と題して参加ギャラリーの記帳台だけを集めてきて、そこに展示するという作品(?)や参加ギャラリーを実際に回って、ギャラリーで出されるお茶を集めてきてそれをブレンドするという作品(?)を展示していて、それも面白くて思わず笑ってしまったのだが、まさに絶好調というところ。現代美術界ではだれも評価する人がいないとしても、個人的には現在次の展覧会がもっとも楽しみな作家なのである。

 この展覧会は今年が3回目になるのだが、毎年前年の出展作家のうちのひとりが選ばれて、次の年にメインの会場以外の別室が与えられて、個展を開催できるのだが、今回はそれに木内が選ばれたわけだ。
 思わず笑ってしまったのは「Attack! Twenty-five」 (コピー用紙にインクジェットプリント、色鉛筆/2006)という平面作品。ただ、見ているとキャンバスの画面が色分割されているアブストラクトの絵画が上下左右にたくさん並んでいるようにしか見えないのだが、近づいてよく見ると、それぞれの絵の下にそれぞれ日にちが書かれていて、表題をもう一度眺めてそうか(笑い)。テレビのクイズ番組「パネルクイズ アタック25」の最終のパネルの状態を記録して、そのとおりの色合いで25の矩形に色を塗ったものを作品として展示していたのだった(笑い)。色分割した抽象画というのは現代絵画を中心にした展覧会にいくとかならずあって、似たような作品のうちどれがよくてどれが悪いのか正直言ってわからないと当惑させられることが多かったのだが、パネルクイズの結果をただ書いたものでもこういう風に展示するとハイアートみたいに見えるよ、というある種、悪意に満ちた作品で、そのことが分かってもう一度見直すとその批評性というか、挑発性に思わず笑ってしまう。
(この項続く)

 
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