DANCE CIRCUS36(2日目)

DANCE CIRCUS36(2日目)(アートシアターdB)を観劇。

おたまじゃくS(森田紗希×中山藍)『ima aoi』  作・出演:森田紗希、中山藍 衣装:小林大輔、大藤千恵子、森田賢祐
spino 『 window 』 作・出演:塩崎有妃子、植村洋朱
昇花ロケット『Are you…?』 作:山上恵理 出演:足立七瀬、山上恵理
内山大 『椅子、男』 作・出演:内山大
升田学『イリノコトワリ』  作:升田学 出演:升田学、田中慎也 音楽:安田寿之

 この日の最大の注目は維新派の役者、升田学が初めて自作のパフォーマンス作品を発表したことであった。「イワノコトリ」は日常的な仕草を採集(サンプリング)し、張り合わせてリミックスするような形で構成・編集したような作品で、それをやはり、サンプリングリミックスを駆使したような安田寿之の音楽に合わせて展開していった。最近、維新派を退団して現在は音楽活動をしている田中慎也との共演によるデュオ作品であった。
 升田学は維新派の前々作「キートン」では主役であるキートン役を演じた看板俳優のひとり。実は維新派の「1/30」など本公演以外の舞台では維新派の作品の一部として自らが作演出したものを創作・披露したことは何度かあって、単なる1パフォーマーにとどまらず作品の作り手としての意欲も持っていることは以前から知ってはいたが、こういうような形で現役の維新派の役者が自作の作品を外部向けに発表するということはこれまではあまりなく、その意味ではどんな作品を作ってくるかが注目された。
 パフォーマンスとは書いたが、これは維新派として発表した作品と比べると、動きの処理などで維新派メソッドの応用などももちろん入っているが、ミニマルな動きとはいえ、維新派特有のボイスなどはなく、コンテンポラリーダンスといっていい作品でもあった。作品にはナラティブ(物語)はなく、アブストラクトな要素が強いものではあるのだが、動き自体はいわゆる既存のダンスムーブメントではなく、安田寿之のオリジナルの音楽に合わせて「トイレで座る」「ドアをあける」「モップで床掃除をする」……というような日常的な動きのなかから、升田が気になっている動きを採集。これをある時は田中とのユニゾンの動きにしたり、少しずつずれたりさせながら、音楽でいうリミックスのように何度も何度もフレーズを繰り返したり、いろんな形でつなぎ変えたりして、その仕草がもともと持つ意味性のようなものを剥奪していく。12分の作品だが、このままだとやや単調で、ここからどう展開するのかがみたいというのが正直ないではないのだが、初めて上演したダンス作品としては今後の可能性を感じさるものであった。
 これまでは維新派の現役の役者たちが自分の作品を発表することはあまりなかったのだが、この日は観客としても維新派のメンバーが大勢姿を見せていたこともあり、これをきっかけに升田以外のメンバーもDANCE CIRCUSで自作を発表することになれば、関西のコンテンポラリーダンスにとってもいい刺激になるのにと思った。
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