サハル・アジミ&レナナ・ラズ「イスラエル・ダンス・ナウ」 @アートシアターdB

サハル・アジミ&レナナ・ラズ「イスラエル・ダンス・ナウ」(アートシアターdB)を観劇。

パンフに掲載された乗越たかお氏のコメントを転載
「Asking For Stars」=レナナ・ラズ
ミュージカルをパロディで使ったり、大きい男と小さい女性のコミカルなダンス。こうした関係性の動きは、ヨーロッパではある定型があって、それをなぞってばかりの「古くさいヌーベル・ダンス」が多いのだが、そうした隘路に落ちることなく、新鮮に自分のキャラクターを動きに還元させている。

「So said Herzel」=サハル・アジミ
これは筆者が彼に惚れ込むきっかけになった作品だ。男二人と女性一人の関係性が様々に変化しながら、細やかな情感が綴られていく。しかもそのひとつひとつが見たことのない発想の動きやリフトなのだ。時にコミカルで無声映画のような、不思議な郷愁すらも漂っている。見た目通りの可愛さ・コケティッシュさ……しかし油断していると、のど元にするりと不気味さ・グロテスクさの刃が差し込まれてくる。
「Motel」=レナナ・ラズ
こちらも冒頭はコケティッシュなのだが、途中からガラリとトーンが変わる。密着したまま変幻自在に展開していくデュオも彼女の持ち味のひとつであるが、ときに濃厚なエロティシズムが香り立つのである。かと思うと速いテンポでコミカルな動きが炸裂していくあたり、深く唸らされる。恐るべき作り手である。
「It is as it is」=サハル・アジミ
パンツ一丁にネクタイという、おいおい! とつっこみたくなる格好だが、なぜかそれすらも成立させてしまうダンスの魅力にグイグイ引き込まれていく。そして後半、タイトルの「あるようにある」という言葉が、トランス・ジェンダーまでも含めた深みと痛みを伴ったものであることが胸を打つ。