大西伸明展「3℃」

大西伸明展「3℃」*1(studioJ)を見る。
 日常の生活で見慣れたものをモチーフ(卵のパック、赤鉛筆、お椀、カニ、ステーキ用の肉、ガラスの破片など)とし、それらからシリコンで型取りした後、樹脂に置き換え彩色を施すことによって、一見、本物と見間違うモノをつくる。しかし、作られたモノは本物とに間違えるほど巧妙に作られていながら、目線を下げて横からみてみると彩色が横にはしてないための透明に見えたり、表面にどことなく違和感があったりして、明らかに「それは本物ではない」と分かる。
 以上がこれまでに見た大西伸明の作品の特徴なのだが、今回はその延長線上にあるとはいえ少し違った趣向の作品を集めた個展であった。類似のものは以前、ノマルエディションでの個展で見かけたことはあるのだが、今回のはレース生地のフェイク。作者に直接製法を確かめたわけじゃないので、本当にそうかは不明なのだが、壁には一見して真っ白で細密な模様が編みこまれたレースと見間違うような布生地が展示されているのだが、これはおそらく白い細かい網目状の生地に白のインクをシルクスクリーン印刷し、模様をつけ、あたかも本物のレースのように見せかけたもの(=フェイク)なのだ。
 これはギャラリーでの大西伸明の個展であり、大西という美術作家がどういう作風だか知った上で見たから、今回はこんな風なのねという感想となり、で樹脂で型取りした作品を並べたいつもの展覧会と比較するとちょっと地味だなと思ったりするのだが、今回のレースの作品はアクリル樹脂の作品と比べても格段に本物に近く見えるので、知らない人が見たら、なんでレースの布がたくさん現代美術ギャラリーの壁に展示してあるのだろうといぶかしげに思うに違いないのではないかと思う。