WANDERING PARTY「レオナール・F S改」@精華小劇場

WANDERING PARTY「レオナール・F S改」(精華小劇場)を観劇。

WANDERING PARTY(京都、代表/高杉征司)

2001年8月結成。京都、大阪を中心に活動。
「芸術と娯楽」は同義である事を追求すべく現代芸術、身体表現を換骨奪胎し笑いと涙をさそう演劇づくりにいそしむ。2004年、関西の演劇祭の一つであるロクソドンタフェスティバルに出場し、21団体中第一位を獲得する。昨今は京都府医師会や京都青年会議所などからの公演以来をうけ、活動の幅をひろげつつある。

レオナール・Fというのはエコール・ド・パリ(パリ派)の代表的な画家として知られる藤田嗣治が戦後、フランスに帰化した後に名乗った名前レオナール・フジタからとった表題である。そういう意味でこの作品は藤田嗣治をモチーフとして戦争あるいは政治と芸術について描いた一種の評伝劇である、と言っていえないことはない。だが、あごうさとしの脚本はよくも悪くもそれを正面からは描き出すのではなく、卑近なところから出発して、大昔の出来事であり他人事というのではなく、身近な問題として描き出そうとしたところに特色がある。シリアスな主題を演劇の娯楽性に塗して、観客に受け入れやすいように提供しようというのも狙いだろうか。それは半ば成功しており、飽きたりすることはなく最後まで楽しんでみることができた。
 戦争と芸術という問題にどこまで鋭く切り込んでいたのかということになると作品の深みについてやや疑問が残る。同じ主題でいうと東京の劇団、桃唄309の長谷基弘以前、「私のエンジン」という舞台を上演しており主題がこの舞台と重なることもなりどうしても比較してしまいたくなるのだが、長谷の「私のエンジン」が長らく記憶に残るほどの好舞台であったので、それと比べると今回見た「レオナール・F S改」にはやや物足りなさが残った。
 というのはこの舞台の背景には藤田が戦時中に軍部に協力して戦争画を描き、そのなかには「アッツ島玉砕」のような生涯の最高傑作と目させるような作品が含まれており、(続く)