桃唄309「おやすみ、おじさん3 - 草の子、見えずの雪ふる」@下北沢ザ・スズナリ

桃唄309「おやすみ、おじさん3 - 草の子、見えずの雪ふる」(下北沢ザ・スズナリ)を観劇。

吉原清司 森宮なつめ バビィ 吉田晩秋 山口柚香 佐藤達 國津篤志 あらきひとみ 畑雅之 (jorro) 別府明華 立花あかね (ラ カンパニー アン)
成本千枝 (ラ カンパニー アン) 高木充子 (ラ カンパニー アン) 菅原直樹 浦壁詔一 中嶌聡 (クレイジーパワーロマンチスト)

 桃唄309「おやすみ、おじさん3 - 草の子、見えずの雪ふる」のレビューが演劇批評サイト「wonderland」に掲載*1されました。wonderlandに寄稿している原稿はいずれも単なる公演評にとどまらずにちょっとした作家論にしたいと心掛けているのですが、このレビューも「長谷基弘小論」に挑戦した心づもりです。興味のある人はぜひ覗いてみてください。


今回は2006年の「おやすみおじさん」(再演)を京都で見て以来というひさしぶりの桃唄309公演の観劇となった。年に2度ほどしかない本公演が前回公演「月の砂をかむ女」(2008年) はトヨタアワードの二次選考会が予想以上に長くかかったことで断念。その前の「三つの頭と一本の腕」は風邪で高熱、「トレインホッパーズ」は入院してしまい行けなかったからだ。
 「おやすみおじさん3」はは、長谷基弘が10数年前より書きためていた、中学生の「僕」とまじない師の「おじさん」と妖怪に関するストーリー集で2003年「おやすみ、おじさん」、2004年「おやすみ、おじさん2 - 影食いと影吐き」に続き本作が三作目である。
 このシリーズではこれまではどこかの街(東京の郊外あたり)を舞台にそこで展開する物語が場面転換はあっても割とリアルタイムに近い形で語られたが今回は福引で当たった東北のかなり辺鄙な場所にある温泉旅館での出来事を中心にロードムービー風にそこに着くまでの描写やその旅館の近くにある森で起こった怪異とそれにまつわる出来事が複雑なプロットで過去、未来を行きつ戻りつしながらノンストップムービーのように語られていく。
 ここでは登場人物が「草」と呼ばれる忍者のような妖怪の末裔と思われる存在とそれを式神のように使役し使いこなす人間、おじさんが連れてきてしまう雨女という不思議な存在、おじさんのライバル(敵役)である黒いコートを着た男と多彩なキャラクターが入り乱れての活劇調の展開で、セリフ回し自体は会話劇系の演技に近いという違いはあるけれど、少なくともこのおじさんシリーズでの桃唄のスタイルはパワーマイム(集団によるマイム演技)、カメラワークといった惑星ピスタチオの空間造形のやり方と似たところがあるかもしれない。
 

桃唄309「人情食堂さくら」http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/19980101