レニ・バッソ「ElephantRose -no land-」@横浜赤レンガ倉庫

レニ・バッソ「ElephantRose -no land-」横浜赤レンガ倉庫)を観劇。

『ElephantRose -no land-』

日時:2009年3月6日(金)・7日(土)19:30開演/8日(日)16時開演

会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール

入場料:前売3000円/当日3500円

振付・演出:北村明子
作曲:粟津裕介
映像:兼古昭彦
照明:関口裕二

出演:堀川昌義・小澤剛・前島弥恵子・野沢英代・三東瑠璃・穴井豪・奥野美和・北村明子

「ElephantRose」はアイホールで初演が上演された作品*1。2年ぶりの再演となったわけだが、首都圏での上演はこれが初めてである。

 舞台上には白いパネルを組み込んだ仕切り板のようなものがいくつか置かれ、それによって舞台は左右中央の3つの部屋に区切られたようになっていて、最初にそのパネルより客席側にダンサーが出てきてさきほど述べたような場面を見せた後はパフォーマンスはその区切られた部屋のなかを中心に展開する。このパネルは半透明(スリガラス状)になっており、ここにいろんな映像が映し出されたり、あるいは部屋の内部にいるダンサーの影がシルエットとして映ったりするのだが、こうした空間構成の緻密さはさすがにこの集団ならではを思わせるところがあった。

 ただ、これまでの作品と比べて大きく違うのは冒頭の息遣いのようなダンサーの持つ生理的な表出がこの作品では重要な要素となっていることで、それは例えば粟津啓介による人の声をサンプリングしてボイスのように処理した音楽にもいえることだが、振付(ムーブメント)の面でも女性ダンサーと男性ダンサーがコンタクトしてのデュオが3つの部屋でそれぞれ展開されたりといった風な場面などその際のダンサーの表情を含め、個々のダンサーの個性がはっきりと分かるような振付となっていたことだ。さらにこの作品にはそうしたなかで、これまでの北村の作品ではおそらく意図的に排除してきた性的な主題(=エロス性)が色濃く舞台から見られた。

 以上が初演の際の感想だが、こうした印象は今回の舞台でも基本的には変わらない。初演レビューではいろんな理由から(詳しくはレビューを参照)この「ElephantRose」のモチーフを「エロ」だと決めつけて、北村本人にみごとに「そんなことはまったく考えていない」と否定されてしまった(笑)。この作品の冒頭ではボルヘスの「迷宮」が引用され、メインモチーフは「迷宮」ないし「迷路」ということになるようなのだが、それまでのレニ・バッソの作品と比べて、やはりより強くエロス性を感じるのはクールでハードエッジなムーブメントに加えて、(To be continued)