大阪芸術大学短期大学部卒業公演「春の音、曇天。をつけてみる」@アイホール

大阪芸術大学短期大学部卒業公演「春の音、曇天。をつけてみる」アイホール)を観劇。

製作総指揮/川村龍一
作・演出/深津篤史
★チームわらび、☆チームつくし

 深津篤史がアイホール演劇ファクトリー第三期生《収穫》公演として2000年2月に初演したのが「春の音、曇天。をつけてみる」。その後も深津企画として関西の若手俳優を選抜したキャスティングで、2005年に再演。今回は大阪芸術大学短期大学部広報学科演技・演出コースの第一期生卒業公演として上演された。
 舞台は90年代半ばの神戸・須磨の保養所。京都の大学の演劇部が毎年2月恒例の年1回の春合宿にやってくる。シェイクスピアの四大悲劇のひとつ「マクベス」上演に向け、稽古に励む部員たち。保養所の庭園には大きな木が一本あり、その木と一緒に年を重ねながら芝居は進んでいく。
 この舞台では演劇部の若者たちの青春群像がリアルな群像会話劇としてその年代ならではの恋愛模様、青春の傷みや挫折が活写されるとともに、毎年上演される「マクベス」が劇中劇としてそれぞれまったく異なる演技スタイルにより演じられる。
 初演がアイホール演劇ファクトリーという若手俳優の育成プログラムの修了公演として上演されたということもあるが、この舞台は俳優としての技術が高いうまい俳優によるよりも、ここで描かれた世代に近いような若い世代の出演者により、半ばドキュメンタリズムの手法によって上演された時によりその輝きを増す作品だという意味で、卒業公演の演目にふさわしい作品だったのではないだろうか。ここは経験の浅い学生たちをうまく御しながらこの日の上演したような見ごたえのある舞台へと導いていった、