珍しいキノコ舞踊団「もうお陽さまなんか出なくてもかまわない〜ジュリロミREMIX」

 @新大久保・Pグローブ座 (1997/3/7-9 3ステージ) 
 振付・構成・演出:伊藤千枝、小山洋子、山下三味子
 出演:井出雅子、佐藤昌代、樋田佳美、山下三味子、山田郷美、伊藤千枝、大和田有

セミネールの準備も兼ねて、だいぶ以前に録画しDVDに収録しておいた珍しいキノコ舞踊団の公演「もうお陽さまなんか出なくてもかまわない〜ジュリロミREMIX」を見直してみた。興味深いのはこの時期のキノコは最近のキノコとは全然違うということが改めて確認できたことだ。そして、この当時と今ではほとんど異なるカンパニーという風に思わせるほどにダンスに対するアプローチも振付も異なる。けれど、こちらのキノコも面白く、今はこういうのが見られないというのは少し残念だとも感じた。
 今の作風を「ダンスで遊ぶ」とすればこのころのは「ダンスを遊ぶ」という感じだろうか。この作品はやはり今と比べると海外のダンスの影響が強く感じられるのだけれど、当時ヌーベルダンスあるいはダンスコンテンポラリーヌと呼ばれていた特にフランスのダンスにはけっこう面白いものがあったな。いつのまにか来日しなくなったことで最近はその存在自体が日本では忘れられたような風になっているのだけれど、あの当時ヌーヴェルダンスの旗手と言われていた人はどうなってしまったんだろう。
 そういうダンスとこのキノコの作品は共通するようなセンス、響き合う土壌があったようだけれど、音楽の世界において洋楽に影響を受けたポップスからいつの間にかJ―POPに移行していたように、バブル経済の崩壊で海外のカンパニーの来日公演が減ってしまうにしたがって確実にこういう風なものを見る機会は減ってしまったよなと思わず考えてしまった。
 思い出した名前を次々と書きならべてみるとレジーヌ・ショピノ、ドミニク・バグエ、マチルド・モニエ、エルヴェ・ロヴ、ミッシェル・ケレメニス、ドナルド・ラリュー……。
 もっとも、キノコの作品はあくまでキノコ独特な作品であり、それは当時も今も変わらないのだけれど。