キレなかった14才♥りたーんず・白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)「すご、くない」@こまばアゴラ劇場

キレなかった14才♥りたーんず・白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)「すご、くない」こまばアゴラ劇場)を観劇。

振付・構成・演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)

出演:
川崎香織
池田義太郎
石松太一
重岡漠
清水嘉邦(SpaceNoid)
千田英史(Rotten Romance)

 「キレなかった14才♥りたーんず」は今から10数年前に「キレる14才」と言われた、1982年生まれ5人と84年生まれ1人、計6人の若手演出家が集まって行った合同企画のタイトルだ。以前から親交があった柴幸男、篠田千明、中屋敷法仁を中心に、それぞれのつながりから神里雄大、白神ももこ、杉原邦生に声を掛け、この顔合わせになった。いち時代前であれば平田オリザ、安田雅弘、宮城聰らによる[P4]、最近では少し世代的には幅があるけれど、岡田利規チェルフィッチュ)、前田司郎(五反田団)、三浦大輔ポツドール)ら同世代の作家が刺激を与え合うことで互いに得られるものは多いが、この6人はさしずめ注目のネクストジェネレーションといえるのかもしれない。
ただ、企画による作品とあって、通常のカンパニー公演とは異なり、キャストはいずれもオーディションにより選んだ劇団員(カンパニーダンサー)以外のメンバー。白神ももこの率いるモモンガ・コンプレックスは桜美林大学出身の女性ダンサーを中心に結成されたカンパニーだが、今回のキャストは1人の女性キャストを除き後のすべてのキャストはおそらくダンス経験が皆無と思われる俳優の男性。唯一の女性キャストもどこかで見たことがあるような気がしたのだが、どうやら京都造形芸術大学出身者でこちらも男性と比べるとダンス経験があるようだが、関西でのダンス公演で見た記憶はない*1から、ダンサーとはいえないのかもしれない。
 この公演をダンスとしてどうかとか評価するのはここまでキャストにダンス的なスキル(技術)がないと難しい。もちろん、このキャストはこれしか集まらなかったというわけではなく振付・構成・演出:白神ももこがこういう整っていないような歪な身体が面白いと思って選んだのであろうし、そういうメンバーを選択した時点で白神の振付家・演出家としての方向性の片鱗はうかがえるのであるが、正直言ってこれがダンス公演としてすごく面白かったかというと、疑問符をつけざるをえなかったのだ。
 というか、より正確にいうならばこの作品では白神ももこという人がどんな作品を作るのかというのははっきり分からない。なぜなら、おそらくこの人は大きな動きそのものというよりは微細な動きのディティールを積み重ねて流れを作っていく人と思われたのだが、この日登場した出演者ではおそらくこう動くというよりはどちらかというとこうしか動けないというのがつなぎ合わせてある感じで、その動きの精度も高いとは思われないので、どうも素材を並べてみました、という感じなのだ。ひょっとすると、個人からサンプリングしたような動きをただつないでいくといういわばドキュメンタリズムのようなやり方はこの人の方法論そのものなのかもしれないが、それでダンス作品が成立するのかどうかは微妙。いずれにせよモモンガコンプレックスの本公演で本来の姿を見てみないことには判断ができないと思った。

*1:と思いこんでいたのだが、どこで見たのかをやっと思い出した。KIKIKIKIKIKIのメンバーとして「サカリバ」に出演していたことがあったようだ