青年団「鳥の飛ぶ高さ」@京都芸術センター

青年団「鳥の飛ぶ高さ」 (京都芸術センター)を観劇。

青年団国際演劇交流プロジェクト2009 日仏交流企画
Projet de Collaboration Internationale de Seinendan 2009 Spectacle franco-japonais

『鳥の飛ぶ高さ』 Par-dessus bord


原作:ミシェル・ヴィナヴェール texte original:Michel Vinaver"Par-dessus bord"
演出:アルノー・ムニエ mise en scène:Arnaud Meunier
翻案・演出協力:平田オリザ adaptation et collaboration artistique:Oriza Hirata

山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、志賀廣太郎永井秀樹天明留理子、太田 宏、大塚 洋、
田原礼子、石橋亜希子、大竹 直、畑中友仁
高橋広司(文学座
フィリップ・デュラン、エルザ・アンベール、ナタリー・マテール、モアンダ・ダディ・カモノ

Kenji Yamauchi,Yoko Hirata,Hiroko Matsuda,Kotaro Shiga,Hideki Nagai,Ruriko Temmyo,
Hiroshi Ota,Hiroshi Otsuka,Reiko Tahara,Akiko Ishibashi,Tadashi Otake,Tomohito Hatanaka
Hiroshi Takahashi (Bungakuza)
Philippe Durand,Elsa Imbert,Nathalie Matter,Moanda Daddy Kamono

スタッフ 原作戯曲邦訳:藤井慎太郎 Shintaro Fujii
翻案戯曲仏訳:ローズマリー・マキノ・ファイヨール Rose-Marie Makino-Fayolle
通訳:原真理子 Mariko Hara
ドラマトゥルグ:シモン・シェママ Simon Shemama
演出助手:西村和宏
舞台監督:中西隆雄 Takao Nakanishi
舞台美術デザイン:カミーユ・デュシュマン Camille Duchemin
舞台装置:鈴木健介 Kensuke Suzuki
照明デザイン:フレデリックグルダン Frédéric Gourdin
照明・字幕:西本 彩 Aya Nishimoto
音響デザイン:バンジャマン・ジョソー Benjamin Jaussaud
音響:泉田雄太 Yuta Senda
作詞:平田オリザ
作曲:ひらたよーこ
編曲:只野展也
振付:白神ももこ
衣裳:有賀千鶴 Chizuru Ariga
宣伝美術:京 Kyo
宣伝写真:山本尚明 Naoaki Yamamoto
制作:西尾祥子(システマ) Sachiko Sawai-Nishio(sistema inc.)、西山葉子 Yoko Nishiyama、
横山 優 Yu Yokoyama、カリーヌ・ブランシュロ Karine Branchelot
総合プロデューサー:平田オリザ Oriza Hirata

 フランスの劇作家ミシェル・ヴィナヴェールの"Par-dessus bord"を平田オリザが現代の日本に舞台を置き換え翻案した企業買収劇。超高性能便器を開発した日本の家族経営メーカーが、世界最大手のフランス資本便器会社に狙われる。日仏合作の新型経済演劇をフランスの次世代を担うアルノー・ムニエが演出した。
翻案とはいうものの、原作のフランスのトイレットペーパー製造会社を米国資本が買収するという設定を家族経営の日本の便器メーカーをフランス系の大型小売店が買収しようとするという話に書き換えたのに合わせて、原作の様々なエピソードを日本しかも現代を舞台にして辻褄が合うように平田が手を入れほとんど全編書き換えてしまっているから、原作の通りなのはほとんど骨格だけといってもいいほどで、これはもう翻案というよりも平田=ヴィナヴェールの合作による新作と考えた方が実態に即しているのではないかと思わせるほどである。
 表題の「鳥の飛ぶ高さ」というのは企業買収を題材に取った作品ということで、この日本版を書くのに平田が参考にしたという「ハゲタカ」 つまり外資系ファンドのイメージから取ったらしい。演出が平田ではなくアルノー・ムニエだということもあってか、歌あり、踊りありなど通常の青年団の上演スタイルとはかなり違うスタイルの舞台である。しかし、こういう舞台も当たり前のようにさらりとこなしてみせる、しかもそれをこの集団にとっては特殊な企画と感じさせない自然さでやってみせるというところに青年団という劇団の懐の深さを感じさせた。