「京都芸術センター舞台芸術賞2009」決定

〔京都芸術センター舞台芸術賞〕
 副賞=賞金50万円/2010年度、京都もしくは東京での受賞者公演における会場を提供
 小嶋一郎(こじまいちろう)演出作品
日本国憲法
〔京都芸術センター舞台芸術賞 佳作〕
 副賞=2010年度、京都での受賞者公演における会場を提供
 杉原邦生(すぎはらくにお)演出作品
「エンジェルス・イン・アメリカ 〜第一部 至福千年紀が近づく」
審査員(50音順)
内野儀(演劇批評家)
小崎哲哉(編集者/『REALTOKYO』『ART iT』発行人兼編集長)
松田正隆(劇作家、演出家/マレビトの会主宰)
松本雄吉(演出家/維新派主宰)
山田せつ子(振付家、ダンサー)

 「演劇計画2009」の一環として開催されていた京都芸術センター舞台芸術賞の審査が行われ、小嶋一郎演出の「日本国憲法」が今年の大賞に選出された。前回のの選考結果では、その実績から本命視され、後にダンスの世界ではトヨタコリオグラフィーアワードも受賞し高い評価を受けた鈴木ユキオ作品*1が落ち、代わりに選ばれたのが昨年私が最近見た舞台のなかではもっとも個人的に思った作品であったので、いったいどんな基準で選ぶとこうなるのかについての疑問から、その選考について興味を抱いていたのである。
 この日の授賞式では審査員による講評があってそれがとても興味深かったのだが、仕事の関係で途中で退席せざるをえず、何を話したかもっとも興味がそそられる松本雄吉氏の講評を聞く前に会場を後にせざるをなかったのが残念であった。
 今回はノミネートされた5作品のうち3作品(大橋可也、伊藤拓、杉原邦生)の3作品を観劇したが、大賞となった小嶋作品を見ていないため、この結果自体にはなんとも言い難いものがある。私が観劇した3作品についてはすでにレビューを観劇日の日記に書いているのでそちらを参照していただきたいが、今回も前回の鈴木同様にダンスで評価の高く、今回の参加者のなかではとび抜けた実績も持つ大橋可也が参加していたが、今回の舞台の出来栄えは昨年のアトリエ劇研での公演と比べてもあまりにひどくて、ちょっといくらなんでもこれをここで受賞させるわけにいかないだろうというものだった。
 別の理由から伊藤拓の作品も受賞はないと考えており、3作品の評価は積極的には推せないけれど、観劇3作品の中からあえて選ぶのだとしたら杉原。だから、杉原の佳作入選というのは妥当なものだったと思う。そして、もしこれで「エンジェルス・イン・アメリカ 〜第二部」がこの劇場で見られるのであればそれは喜ぶべくことだと思う。
 問題は小嶋一郎だが、作品を見てなくてはなにも言うことができないので、受賞作品でどんなものを上演するのかに注目していきたい。

 

*1:トヨタでは見ているが、この時には実際に見ることはできなかった