「トヨタコレオグラフィーアワード2010」が公募開始

 「トヨタコレオグラフィーアワード2010」(トヨタアワード)が26日から参加者の公募を開始した。同アワードは振付家の発掘・育成を目的に、トヨタ自動車世田谷パブリックシアターの提携事業として2001年にスタート。今回が7回目だが、初の試みとして最終審査会「Nextage(ネクステージ)」はこれまで外国人中心であった審査員をすべて日本人とし、ゲスト審査員に演出家・俳優の白井晃現代美術家束芋、作曲家の原田敬子、作家の古川日出男と様々なジャンルのアーティストらが参加することになった。公募期間は2010年1月15日まで、映像・書類選考により2月中旬にファイナリスト6人を選出。最終審査会は、7月19日に世田谷パブリックシアターで行われる。審査会ではファイナリストらが振付作品を実演し、グランプリ「次代を担う振付家賞」1人と、観客投票により選出される「オーディエンス賞」1人を決定する。

トヨタコレオグラフィーアワード2008 鈴木ユキオ(金魚)
1日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20080628
2日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20080629
トヨタコレオグラフィーアワード2006 白井剛(発条ト)
1日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20060729
2日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20060730
3日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20060731
トヨタコレオグラフィーアワード2005 隅地茉歩(ダンスユニット・セレノグラフィカ)
1日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20050709
2日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20050710
3日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20050711
トヨタコレオグラフィーアワード2004 東野祥子(BABY-Q
1日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20040703
2日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20040704
3日目http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20040705
トヨタコレオグラフィーアワード2003 黒田育世(BATIK)
トヨタコレオグラフィーアワード2002 寺田みさこ+砂連尾理

 トヨタコレオグラフィーアワードはいろんなダンス関係者からその功罪が取りざたされていて、特に最近の桜井圭介氏はトヨタチェルフィッチュを選ばなかったのがコンテンポラリーダンスのコンサバ化の分岐点になったなどと論陣を張っている *1 *2ほどで、「罪」の部分が強調されがちな傾向が強まっている。それにしてもトヨタアワードがいろんな意味でここ10年のコンテンポラリーダンスの動きに大きな影響を与えてきたことは確かだし、「若手の振付賞といってもすでに評価の定まった人にしか受賞しない」の批判もあるのは確かだが、それでもこれまでに受賞した6人の受賞者、寺田みさこ+砂連尾理、黒田育世(BATIK)、東野祥子(BABY-Q)、隅地茉歩(ダンスユニット・セレノグラフィカ)、白井剛(発条ト)、鈴木ユキオ(金魚)の受賞後の実績を見ると否定することはできず、「これはこれでひとつの選択であった」と言わざるをえないと思う。
 確かに受賞者に劣らぬ実力の持ち主も多数ファイナリストとしては参加しており、他の選択肢(伊藤千枝、矢内原美邦岡田利規、山崎広太、康本雅子、きたまり、KENTARO!!……)もいくらもあったとは思う。だから、毎回起こる結果への不満も心情的には頷ける部分もないではないが、受賞者への礼儀をまったく欠く行為も散見されたのも確かであった。それでもいろんな問題や様々な論議を引き起こしてきたという意味も含めて、コンテンポラリーダンス界においてきわめて重要なイベントだった。
 実は最近の業績悪化にともないトヨタがF1からさえ撤退をせざるをえなかったという現状と複数の筋から「トヨタアワードはなくなる」とのかなり信憑性の高そうな情報も聞いていた。さらに最近はほかの企業も次々とメセナ活動から手を引いていて、現に大阪ではキリンプラザがなくなったのに引き続き、サントリーミュージアムも閉鎖することが発表になり、残念だけれどトヨタコレオグラフィーアワードの中止はやむ追えないかと正直覚悟していた。それだけに今回正式に2010年における開催が発表になったということは私にとって嬉しい誤算と言っていい。まさに「頑張れトヨタ!!」の思いである。

*1:桜井圭介さん本人によればこれは別に“トヨタについて”“論陣」を張っている”わけではありませんよ、ということですが、私にはそう受けとれました。もちろん、桜井さんが疑問を呈しているのはトヨタアワードの存在自体ではなくて、これまでのトヨタアワードの受賞者の選択の基準に対してだと思いますけれど。せっかく本人にコメントを書き込みしていただいたので読者に自分で判断していただけるようにリンクを張ります http://www.cinra.net/interview/2009/09/04/000000.php

*2:念のために以前このことが話題となったページもリンクしておきます http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20090912/p1#20090912f1