ダムタイプ「pH」「OR」を映像で鑑賞

 身体表現批評誌「CORPUS」次号に掲載予定の「ダムタイプの系譜を巡る連続インタビュー 山中透インタビュー」を脱稿。まだ、内容について本人に確認したり、編集部からの削り要請などがあれば対応しなければならないが、少しほっとする。前号「Corpus no.7」では第1回として藤本隆行インタビューを掲載したが、今後も影響を受けた周辺のアーティストも含めて、「ダムタイプ現象」というのが何だったかに対して多角的に迫っていきたいと思っている。

Corpus no.7―身体表現批評

Corpus no.7―身体表現批評

 内容については雑誌が出た後、それを読んでほしいのだが、ダムタイプの当時の音楽がパフォーマンスとクラブカルチャーとの接合を狙ったものであったことなど、音楽家ならではの視点がうかがえ、興味深いものであった。
ダムタイプ pH [VHS]

ダムタイプ pH [VHS]

OR [DVD]

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 インタビューについて内容を実際に作品に当たって確かめる必要があると思い、セミネールの会場にもなっている〔FINNEGANS WAKE〕1+1に深夜出掛けて、山中透がいずれも音楽を手掛けた「pH」「OR」の映像を鑑賞した。手前味噌ではあるけれど、私がこのバー&ギャラリーをレクチャーの会場に選んだのは小空間でありながら、プロジェクターで映画同様に壁のスクリーンに映像を映すことでミニシアターさながらのライブ感覚のある映像を体験できるからで、元々、私も舞台は生が一番と思っている人間ではあるので、ここで何度か実際に舞台の映像(特にコンテンポラリーダンス)を実際に見てみるまでは映像を見せながらそれを解説するような形式でのレクチャ―を行おうなどと企てることはなかったであろう。
 それで昨年のレクチャーを準備していた時、以来だから半年ぶりぐらいになりそうだが、ダムタイプの作品を実際に映像で見てみて、特に今回は音楽についての話を山中透氏自身に聞いた後だったこともあり、それまで気がついていなかったことに改めて気がついたこともあり、きわめて有意義な観劇であった。
 「pH」については実は生では見られなかったのだが、何度も映像では見ていて山中透のリミックスした音楽も楽しくなってくるし、好きな作品ではあるのだけれども、「OR」は実際の上演時の印象は実はあまりいいものではなかった。それは「S/N」の後どんな作品を作るのかと思って見にいったら、予想とはかなり異なるものであったためだ。しかし、今回ひさびさにきちんと見直して、改めて思ったのはこれはパフォーマンスとして非常によく出来た優れた作品だったんだなということであった。
 もうひとつはこの作品からは音楽を池田亮司が音楽を手掛けており、光が点滅していきホワイトアウトしていく場面の重低音の音の塊など、後のダムタイプの姿を彷彿させる部分は多くある。それゆえ「OR」=池田亮司のイメージが強かったのだが、インタビューでこの作品までは山中透も音響に加わっていたのだということを聞いて、あらためてこの作品を見直してみた。すると、この作品にも山中透のテイストが感じられるところが随所にあって、そのミクスチャーの具合が面白かった。この日見た映像は実はVHS映像をDVDに落としたものだったのだが、昨年末にはこの「OR」の方はDVD版も出たはずで、こちらの方も出来れば早いうちに購入して比較してみなけりゃいけないと思う。