ウミ下着「あの娘の部屋に行こう」@シアターsenka

ウミ下着 「あの娘の部屋に行こう」
構成.演出  中西ちさと
造形  畑崎みさき
出演  福井菜月 中西ちさと 重里実穂 岡田由紀 平山ゆず子

0samen 「駅前でガーベラを売るあの娘みたいになりたい」
構成.演出・出演 吉田祐

 ウミ下着*1近畿大学出身の中西ちさと、福井菜月らによるダンスカンパニーである。前回公演*2「少女は不幸がお好き」@大阪芸術創造館の時に「ウミ下着は『ガロ』の漫画か楳図かずお、要するにアングラっぽさがあるのだけれど、両者のイメージにはそのくらいの大きな違いがあるのだ。ただ、アングラっぽいとは書いたけれど、彼女らの作品にはポップなところもあって、それはKIKIKIKIKIKI(きたまり)やBATIK(黒田育世)のような舞踏をベースにしたような表現の持つ湿度のようなものとは明らかに一線を画しているところがあり、そこが新鮮」と書いたのだけれど、そういう特徴は可愛らしいグッズやイラストを散りばめた「私の部屋」で展開していく「いわば自画像」的な作品である「あの娘の部屋に行こう」ではより分りやすく発揮されたといえよう。
 公演会場の部屋に入ると白い綿のようなもので矩形が作られていて、そのなかには小さな家の形をしたものがあり、そこにはぬいぐるみのようなものがたくさん置かれていたり、壁にはかわいいイラストが張ってあったり、キノコの模様の丸いテーブルのようなものとか*3が置かれているのだ。いかにも少女らしい部屋の様子でこの部屋を見た時に最初は珍しいキノコ舞踊団のことなども少し思い出したりしたのだが、ここからが全然違うのだ。
 これが珍しいキノコ舞踊団」であればここを少女のようなダンサーの遊び場(プレイグラウンド)として観客との間に親密な空間を形成しながら、世界が展開していくのだが、ウミ下着の展開するのは同じく若い女性は登場しながらも、もっと暴力的であったり、もっと実際に生きている女性たちの息遣いや生理的な感覚が伝わるような生々しい空間なのだ。