チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」@神奈川芸術劇場

作・演出 : 岡田利規
出演 : 山縣太一 松村翔子 足立智充 武田力 佐々木幸子
舞台美術 : トラフ建築設計事務所

@神奈川芸術劇場 2/2(水)〜2/15(火)
[チケットかながわ]http://www.kaat.jp/pf/zougame.html

水戸芸術館ACM劇場 2/26(土)〜2/27(日)
[チケットぴあ]http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1048921

富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ 3/4日(金)〜3/5(土)
[チケットぴあ]http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1051975

山口情報芸術センター [YCAM] 3/13(日)
[山口文化振興財団]http://www.ycfcp.or.jp/

 前作「私たちは無傷な別人である」でスタイルを大変換した岡田利規が次に向かう新たな地平はどこか? これが新作「ゾウガメのソニックライフ」を見るまでの最大の注目点であった。結果は面白くもあり、いささか肩すかしを食らわされた感もある。インタビューに答えて「今回の舞台には複数のレイヤー(層)があって……」などということをインタビューに答えてしきりに言っていたので、「どんなものになるのだろう」と注目していたのだが、これはちょっと当てがはずれた。テキストのあり方としては話者(スピーカー)とその人が一人称で話している本人と目されている人が別の人であるという意味ではこれは明らかに「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」ではなくて「私たちは無傷な別人である」の延長線上にある作品である。
 しかし、複数のレイヤーが重なり合ってというあり方や映像などの使い方、あるいは設定として夢を見ている人の夢の内容などを現実に起きている出来事と並置するというやり方は岡田が「目的地」などでやっていた方法論にむしろ戻って再検証している感もあり、「目的地」の時のアフタートークびわ湖ホール)で宮城聰が岡田の演劇をピカソキュービズムの絵画「アビニョンの娘たち」になぞらえていたのを思い出したぐらいで、チェルフィッチュとして大きく新たな方法論に踏み出したという印象は薄かったからだ。(続く)