イキウメ「散歩する侵略者」@ABCホール

イキウメ「散歩する侵略者」
作・演出
前川知大
出演
浜田信也、盛 隆二、岩本幸子、伊勢佳世、森下 創、窪田道聡、大窪人衛、加茂杏子 / 安井順平

 今年の岸田戯曲賞は結局、サンプルの松井周が受賞して受賞を逃したが、イキウメの前川知大も最終候補にはノミネートされ有力候補だったことなど以前から名前は知っていて気になる劇団ではあったが、実際に生の舞台を見たのはこれが初めてである。ポストゼロ年代や群像会話劇系のゼロ年代の作家たちとも明らかに異なる作風で、その方法論にさほどの新味は感じられないが、役者の演技、脚本の完成度などはいずれも高水準で劇団としての総合力を感じさせる舞台であった。
 ○○と似ているなどというと大概悪口にしかならないことが多いから、書こうかどうか迷ったのだが、まず思い出したのが鴻上尚史の「トランス」である。主人公を演じた浜田信也の迫真の演技が「トランス」における小須田康人の演技を彷彿とさせたからだ。