関西・歌舞伎を愛する会 第二十回 七月大歌舞伎・昼の部

一、播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)
            浅山鉄山  愛之助
            岩渕忠太  亀 蔵
            腰元お菊  孝太郎


二、歌舞伎十八番の内素襖落(すおうおとし)
            太郎冠者  三津五郎
             鈍太郎  亀 蔵
            次郎冠者  巳之助
             三郎吾  萬太郎
             姫御寮  梅 枝
             大名某  秀 調


三、江戸唄情節(えどのうたなさけのひとふし)
  序幕 芝居茶屋伏見屋より
  大詰 村山座の舞台まで

            杵屋弥市  仁左衛門
      芸者米吉後に女房お米  時 蔵
           坂東彦三郎  三津五郎
            市村家橘  愛之助
          俵屋娘おいと  梅 枝
         隣家の女房お留  吉 弥
            番頭平助  竹三郎
         小揚げの七兵衛  彌十郎
        伏見屋女将おふさ  秀太郎

 面白かったのは「江戸唄情節」。ヤクザ上がりの三味線弾きの杵屋弥市(仁左衛門)が主人公の人情ものであるが、劇中劇として上演される「鏡獅子」ここでは弥市のということはそれを演じる仁左衛門による立ち三味線の演奏が見どころ。これはもちろん大したものだ以上の出来ばえで見事なのだが、それ以上に嬉しかったというか、得したなと思えたのは坂東彦三郎市村家橘による、ということは踊りの名手である三津五郎愛之助という滅多に見られない組み合わせによる「鏡獅子」を見ることができたことだ。もちろん、それは見ごたえのあるものだった。
 劇中劇の最中にいつもよりも大きな声で「音羽屋」の屋号が連呼され、大向こうはやけにきょうは元気がいいと思ったのだけれど、よく考えたら三津五郎=大和屋、愛之助松嶋屋だから、この大向こうはもちろん劇中劇として客席に潜んだ役者らが掛けている仕込みなわけだ。こういうところの趣向もなかなか面白かったのである。