「演劇の新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第5回 東京デスロック=多田淳之介」レクチャー&映像上映

主宰・中西理(演劇舞踊評論)=演目選定
東京デスロック「再生」(2006年)

 東心斎橋のBAR&ギャラリーを会場に作品・作家への独断も交えたレクチャー(解説)とミニシアター級の大画面のDVD映像で演劇を楽しんでもらおうという企画がセミネール「演劇の新潮流」です。今年は好評だった「ゼロ年代からテン年代へ」を引き継ぎ「ポストゼロ年代へ向けて」と題して現代の注目劇団・劇作家をレクチャーし舞台映像上映も楽しんでいただきたいと思います。
 今回取り上げるのは東京デスロック多田淳之介です。多田は青年団の演出部に所属するとともに富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの芸術監督にも就任、日本の公立劇場の芸術監督としては最年少として話題になっています。2009年1月より東京デスロックは東京公演休止を宣言、地域との連携を提唱するなどそれまでの首都圏の劇団にはなかったスタイルは彼に続く若い世代に新たなロールモデルを提供する役割も果たしています。
福岡県北九州市八幡東区枝光にある枝光本町商店街アイアンシアターにて開催された
「えだみつ演劇フェスティバル2010」公演前後に行われた「えだトーク


 今年の新シリーズ「ポストゼロ年代へ向けて」では現代口語演劇の流れから少し離れた新潮流をポストゼロ年代演劇と位置づけ、柴幸男(ままごと)、三浦直之(ロロ)、篠田千明(快快)らを紹介してきました。ポストゼロ年代演劇と呼ばれる彼らには共通の特徴をまとめてみると1.その劇団に固有の決まった演技・演出様式がなく作品ごとに変わる2.作品に物語のほかにメタレベルで提供される遊戯的なルール(のようなもの)が課され、その遂行と作品の進行が同時進行する3.感動させることを厭わない――などですが、もともと現代口語演劇から出発しながら世代的には少し下であるこれらの若手の作家たちと同じような特徴の作品にいち早く取り組んでいた先駆者といえそうなのが、多田淳之介です。
 東京デスロック旗揚げ当初から、演劇の枠組みを揶揄するかのような作風で知られていましたが、2006年よりスタートした「演劇を見直す演劇シリーズ」で役柄を全く固定しない作品(「3人いる!」)、全編造語による作品(「別」)、全く同じストーリーを繰り返し続ける作品(「再生」)を立て続けに発表し、実験演劇の様相を強め、同世代の作家のなかでいち早く平田オリザの現代口語演劇のくびきから脱出しました。2007年よりスタートした「unlockシリーズ」では、演劇の最大の魅力を「目の前に俳優がいること」にフォーカスし、俳優の身体的な「疲れ」を前面に押し出す作風に挑戦しました。2008年以降はシェイクスピア作品を手がけることが多く、本日もその一部を紹介していきたいと思ってますが、ロミオとジュリエットでは「目隠し鬼」を、マクベスでは「椅子取りゲーム」を中心に構成するなど、「遊戯的なルール(のようなもの)が課され、その遂行と作品の進行が同時進行する」というポストゼロ年代演劇の演出手法でシェイクスピアを相次ぎ手がけています。今回は劇団から提供された関西では初公開の映像資料を基に多田の作品世界に迫りたいと思います。

【日時】8月31日(水) 7時半〜
【演目】「3人いる!」「2001年―2010年宇宙の旅」「WALTZ MACBETH」「ROMEO & JULIET〜JAPAN ver.」「その人を知らず」など
レクチャー担当 中西理
【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて 【料金】¥1500[1ドリンク付]

※[予約優先]  定員20人ほどのスペースなので、予約をお願い致します。当日は+300円となりますが、満席の場合お断りすることもあります。

【予約・お問い合わせ】 ●メール fw1212+110831@gmail.com  あるいは BXL02200@nifty.ne.jp(中西) 希望日時 お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTEL お客様の住所をご記入のうえ、 上記アドレスまでお申し込み下さい。 06-6251-9988 PM8:00〜 〔FINNEGANS WAKE]1+1 まで。 web:fw1plus1.info  Bridge Gallery & Bar 〔FINNEGANS WAKE〕1+1 大阪市中央区東心斎端1-6-31 リードプラザ心斎橋5F (東心斎橋、清水通り。南警察署2軒西へ)

東京デスロック2001年12月、動物電気の俳優として活動していた多田淳之介を中心に活動を開始。
作・演出の多田は並行して2003年より青年団演出部に所属し、若手自主企画の作・演出、青年団リンク二騎の会の演出も手がける。

2007年より東京デスロックは青年団内のユニット「青年団リンク 東京デスロック」としての活動を開始。青年団俳優によるキャストの充実、青年団のバックアップによる制作面での充実を得て、翌2008年より青年団リンクから独立。劇団としてのポテンシャルを着実に高めていっている。

劇団は本公演と並行して、劇場以外で上演する“CARAVANシリーズ”、役・物語・言語等の既成概念を検証する“演劇を見直す演劇”を展開。

2007年より演劇の最大の魅力を「目の前に俳優がいること」と位置付け演劇の可能性を追求する “unlockシリーズ”を開始。一貫して「演劇」のあり方、自明性を疑った地点から、アクチュアルな演劇を立ち上げる活動を行っている。

2008年より「現前する身体による戯曲の現前化」という演劇の根本原理をもって演劇への再評価を目指す“REBIRTHシリーズ”を開始。
また、2008年度より埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみを拠点として活動するキラリンクカンパニーとなり新たな活動の場を広げる、2009年よりは東京公演を休止し、演劇上演の根源、その先にあるものを見つけるべく、新展開に挑む。

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001026