冨田勲追悼特別公演 冨田勲×初音ミク「ドクター・コッペリウス」@オーチャードホール

第1部:『イーハトーヴ交響曲』 第2部:『ドクター・コッペリウス』

■キャスト
指揮:渡辺一正
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:調整中

*第2部『ドクター・コッペリウス』
エレクロトニクス:ことぶき光
振付:辻本知彦
出演:初音ミク、風間無限

イーハトーヴ交響曲」は生前の冨田勲が残したほぼ最後の作品といってもいいのかもしれない。東日本大震災を受けて「銀河鉄道の夜」「雨ニモマケズ」といった宮沢賢治の作品を交響組曲に仕立てたものであり、初期のムーグシンセサイザーを操りクラシックの名曲を編曲したシンセサイザー音楽の始祖的な存在である冨田勲が数十年の時を隔ててその遠い子孫であるボーカロイドソフト「初音ミク」と出会い、それを歌姫(ソロシンガー)に迎え自らが作曲したオーケストラ曲と共演させた歴史的な作品でもある。
 今回の「イーハトーヴ交響曲」は北京でのものも勘定に入れれば4回目の再演となるが、私が初音ミクのライブに注目しているのは初音ミクの歌唱およびビジュアル・動きの分野における技術的革新がめざましいからだ。今回の「イーハトーヴ交響楽」は同じ会場で以前に見たもの*1と比べると透過スクリーン上に現れた初音ミクの立体感、バレエ的な動きのリアルさは驚くべきものだった。
 今回の公演のメインは第2部のバレエ「ドクター・コッペリウス」であり、この作品の製作途中で冨田勲は亡くなったため、追悼公演を兼ねて参加スタッフが製作を継続、何とか公演にこぎつけた。初音ミクをいろんなパフォーミングアーツやライブ形式と組み合わせた公演は通常のアイドルライブに加えて、初音ミクオペラ、ニコニコ動画が製作した歌舞伎、人形浄瑠璃ときわめて広範な分野に広がりつつあるが、今回はそれにバレエも加わったわけだ。(続く)

*1:「イーハトーヴ交響楽」2013年 http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20130916