A Midsummer Night's Dream KUNIO13「夏の夜の夢」@東池袋あうるすぽっと

A Midsummer Night's Dream KUNIO13「夏の夜の夢」@東池袋あうるすぽっと

 

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作:ウィリアム・シェイクスピア
演出・美術:杉原邦生 翻訳:桑山智成 振付:北尾亘
【出 演】
 鍛治直人[文学座]高山のえみ 大石将弘[ままごと / ナイロン100°C] 大村わたる[柿喰う客 / 青年団] 北尾 亘[Baobab] 田中美希恵[範宙遊泳] 瑞生桜子
箱田暁史[てがみ座]森田真和 後藤剛範 海老根理[ガレキの太鼓] 水野駿太朗
 三永武明・小田豊


【スタッフ】
 音楽:Taichi Master
舞台監督:大鹿展明
 照明:魚森理恵
 音響:稲住祐平
 衣裳:清川敦子[atm]
ロバの頭製作:藤谷香子[FAIFAI]
 演出助手:岩澤哲野、中村未希
 照明操作:加藤泉
 衣裳製作協力:山本理恵
スチール写真撮影:堀川高志[kutowans studio]
 宣伝美術:加藤賢策[LABORATORIES]、北岡誠吾[LABORATORIES]
 特設サイト:間屋口克
 印刷:佐々木洋紙
 制作:小林みほ、河野理絵


 協力:アプレ、イマジネイション、エスプレイング、オーストラ・マコンドー、岡村本舗、柿喰う客、ガレキの太鼓、krei、Queen-B、スイッチ総研、青年団、てがみ座、DruCi、ナイロン100℃、範宙遊泳、Baobab、文学座、ままごと、libido:
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 KUNIOは杉原邦生による演劇上演ユニット。これまでは国内外の現代演劇のテキストを上演してきたが英文学者でシェイクスピア研究者の桑山智成と組んで、新訳でのシェイクスピア上演にも挑戦。今回の「夏の夜の夢」は「ハムレット」に続く第2弾となった。
 正確な統計があるわけではないので臆測にすぎないが、本国の英国を除けば日本は多くのシェイクスピア作品が上演されている国のひとつではないだろうか。その理由のひとつに多数の翻訳テキストの存在があるかもしれない。戯曲の翻訳が専門家によってなされるとともにこうした翻訳をもとに実際の上演向けに作家が手直ししたものが使われたり、今回の公演のように上演の目的でまったく新たな翻訳を行うという例もある。そうすることのメリットは原語では現代語から見れば古語で書かれているものがそのまま上演されることになるため、時代が経過すれば経過するほどとっつきにくいものとなっているのに対し、日本では次々と日本語の現代語としてなじみやすいテキストが表れる*1
 そうした中でも「夏の夜の夢」は「ハムレット」「ロミオとジュリエット」などと並んで上演例が多く、今年に入ってからでも青年団リンクRoMTが上演したほか、「野田秀樹版 夏の夜の夢」の再演バージョンをSPACが上演している。
 過去の上演歴ではロイヤル・シェイクスピアカンパニー(RSC)のピーター・ブルック演出版が伝説的な上演として有名だが、生で見てはいない。映像化もされたRSCのエイドリアン・ノーブル演出版、竜安寺の石庭を舞台上に出現させた蜷川幸雄演出版、前述のSPACによる上演、山の手事情社の何回かの上演などは見ている。ただ、これまで見た「夏の夜の夢」の上演の中で個人的にもっとも印象的だったのは林巻子演出のロマンチカ版である。「夏の夜の夢」には無数の性的な隠喩がちりばめられていて、翻訳上演ではほとんどの場合、そうした要素は単なる比喩だとしてスルーされるが、ロマンチカの上演ではそれを出来るだけ拾ってビジュアルとしても提示していて、一見奇を衒っているようにも見えたが、上演を見た後で元テキストとの照合を行ったところ意外に正統的な演出ではないかと思わせられたからだ。

*1:坪内逍遥訳から福田恆存訳、そして、小田島雄志訳、松岡洋子訳と翻訳も時代をへて、異なったテイストのものが出てきていることで、単なる古典ではない現代に生きるテキストとして受容できるようになっている