ミュージカル「わたしは真悟」@新国立劇場中ホール

原作:楳図かずおわたしは真悟』(小学館刊)
キャスト 高畑充希 門脇麦 小関裕太 大原櫻子 成河 田鍋謙一郎 奥村佳恵 斉藤悠 宮菜穂子 水野栄治 江戸川萬時 清家悠圭 加賀谷一肇 碓井菜央 工藤広夢 引間文佳 鈴木竜
脚本:谷賢一 ミュージシャン(演奏)トウヤマタケオ Open Reel Ensemble(吉田 匡 和田 永 吉田 悠)
音楽:トクマルシューゴ/阿部海太郎 歌詞:青葉市子
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ 振付・美術:エリック・マルタン 映像:オリヴィエ・シモーラ/ローラン・ラダノヴィッチ 照明:大平智己 音響:松木哲志 ヘアメイク:鎌田直樹 稽古ピアノ:太田裕子 通訳:加藤リツ子 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:足立充章 技術監督:堀内真人 演出協力:白井晃

 楳図かずおの漫画「わたしは真悟」を原作にしたミュージカル。歌も歌えて演技派との評価も高い若手女優陣(高畑充希 門脇麦 大原櫻子)を主要キャストに配置し、エリザベートのルイジ・ルキーニ 役などミュージカル俳優としても活躍している成河を真悟役にした新作ミュージカルというのが世間一般の認識なのだろうが、私はトウヤマタケオとOpen Reel Ensembleが音楽演奏を生で担当するということ、青年団演出部の谷賢一が脚本を担当すること、演出・振付がフィリップ・ドゥクフレであることがきっかけでチケットを取り見に行った。

すべてを2・5次元ミュージカル・演劇の名で評するのが適当であるのかどうかについては若干の疑義もあるが最近は漫画・アニメ作品の舞台化の企画が数多く上演されている。その中でも今回の「わたしは真悟」は特筆すべき出来栄えであったのではないかと思う。
 まず何といってもOpen Reel Ensembleを中心にした生演奏の音楽・音響が素晴らしかった。Open Reel Ensemble(吉田 匡 和田 永 吉田 悠)の3人とトウヤマタケオの4人だけで歌唱部分の伴奏だけではなく、状況音や「真悟」の発する声や信号などもすべてリアルタイムのオペレーションで行っており、こういうのは世界的に見ても稀有なことだと思う。フィリップ・ドゥクフレによる一風変わった振り付けとも合わせて、娯楽性はありながらいわゆるミュージカルっぽくない味わいには好感が持てた。
 漫画単行本で7巻にもおよぶ内容をコンパクトにまとめしかもセリフの群読などにも対応した谷賢一の脚本もよい出来栄えだったのではないか。女優が少年少女を演じるという演技スタイルは80年代の小劇場演劇で一般化され、いわば日本現代演劇のお家芸といってもいいほどだが、そのスタイルを確立した代表的な劇団が遊◎機械全自動シアターでそこで演出を担当していた白井晃が今回は演出協力でも参加しており、子ども役の演技など彼が手がけたのではないか。

わたしは真悟 (Volume7) (小学館文庫)

わたしは真悟 (Volume7) (小学館文庫)