地点「ロミオとジュリエット」@東京・早稲田大学大隈記念講堂大講堂

英・グローブ座からの依頼で制作された『コリオレイナス』に続く地点のシェイクスピア第2弾。
若い二人の恋は、政治と宗教への挑戦だった!?
バンド「空間現代」の音楽とともに送る、「愛」という名の政治劇!!


作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:中野好夫
演出:三浦基
音楽:空間現代 

出演:安部聡子、石田大、小河原康二、窪田史恵、河野早紀、小林洋平、田中祐気

 地点「ロミオとジュリエット」@早稲田大隈講堂大ホール観劇。地点のような劇団をけなすには勇気がいるが、今回は評価できないなと思う。空間現代とのコラボライブとしてはカッコいいけどロミジュリでこれをやる意味が分からない。こういうことを書くと地点の前衛的手法が理解できない石頭の馬鹿みたいに見えかねないのだが、もちろんそういうことを批判しているのではない。
 今回の「ロミオとジュリエット」と類似の手法、つまり原テキストの断片化とその再構築だったがKAATで上演された「三人姉妹」は大傑作だった。それは断片化されたテキストを原作の順序を無視して並べ替え、物語を破壊しながらも「三人姉妹」という作品の本質、登場人物らが感じている時代の閉そく感に鋭く迫り、作品から純度の高い本質を抽出した舞台に見えたからだ。
 残念ながら今回の「ロミオとジュリエット」にはそれがない。少なくとも私にはそうした何かは感じられなかった。そのためにシェイクスピアのテキストの断片を音楽に乗せたライブ、あるいはボイスパフォーマンスのようにしか見えなかった。「ロミオとジュリエット」はおそらくバレエなども含めればシェイクスピアの作品の中でもっとも多い本数を見てきた作品であり、しかも私にとっては大学入学後にシェイクスピアシアターによる上演を最初に劇場で見たというこだわりも強い作品ということもあり、それゆえ個々の作品への評価は辛くなりがちだということはある。そうであるからこそ、地点ほどの劇団が上演した作品としてはどうだろうと思ってしまったのだ。