第61回岸田國士戯曲賞最終候補作品

白水社主催の第61回岸田國士戯曲賞の最終候補作品が発表された。選考会は2月27日18:00より東京・學士會館にて開催。選考委員は岩松了岡田利規ケラリーノ・サンドロヴィッチ野田秀樹平田オリザ宮沢章夫の6人。

第61回 岸田國士戯曲賞 最終候補作品

市原佐都子「毛美子不毛話」(上演台本)
上田誠「来てけつかるべき新世界」(上演台本)
長田育恵「SOETSU −韓くにの白き太陽−」(上演台本)
オノマリコ「THE GAME OF POLYAMORY LIFE」(上演台本)
瀬戸山美咲「埒もなく汚れなく」(上演台本)
林慎一郎「PORTAL」(上演台本)
平塚直隆「ここはカナダじゃない」(上演台本)*1
山縣太一「ドッグマンノーライフ」(上演台本)

 再演と短編しかなかった綾門優季青年団リンク キュイ)はともかくとして、山田百次(青年団リンク ホエイ)、三浦直之(ロロ)……。「なんで最終候補に選ばれてないの」という疑問が浮かんだのも確かだが、上田誠ヨーロッパ企画*2を選んだのは快挙だと思う。こういう戯曲賞のようなものには一番距離があると思っていたのだが。しかし、毎回見てきたのによりによって私がこれだけを見逃した「来てけつかるべき新世界」が選ばれるとは皮肉だ。そういういえば芥川賞「しんせかい」(山下澄人)が受賞したな。なんとなく風が吹いてきているような(笑)。いずれにせよ今回の選考会をかき回す台風の目といえるんじゃないか。
 事故で亡くなった劇作家、大竹野正典(くじら企画)の評伝劇である「埒もなく汚れなく」が選ばれたのもある種の感慨あり。大竹野が「夜、ナク、鳥」で岸田戯曲賞候補になった2004年(倉持裕「ワンマン・ショー」が受賞)からもすでに十数年が経過したが、弔い合戦ではないがここで「埒もなく汚れなく」が受賞したら、きわめて劇的な展開といえようが……どうなるか。
 タイプは千差万別だが瀬戸山も含め、市原佐都子、長田育恵、オノマリコ、瀬戸山美咲と女性が4人入ったことも注目されそうだ。林慎一郎「PORTAL」は見ることができなかったが松本雄吉の遺作となった舞台の戯曲。これもある意味弔い合戦か。平塚直隆、山縣太一の選考にも驚いた。山縣の作品を僚友、岡田利規はどう評するだろうかも注目。