百景社「銀河鉄道の夜」@こまばアゴラ劇場

原作:宮沢賢治 構成・演出:志賀亮史

星祭りの夜、天気輪の丘で星空を見上げていたジョバンニは、突然強い光に包まれ、気がつくと銀河を走る列車に乗っていた。向かいの席にいた友人カムパネルラと一緒に、ジョバンニは銀河をめぐる旅に出る。
宮沢賢治の長編童話をもとに描く百景社版『銀河鉄道の夜』。

出演

山本晃子 栗山辰徳 鬼頭 愛 国末 武 星 善之 村上厚二(以上、百景社)木母千尋(第七劇場) 小川敦子 遠藤淳子

スタッフ

舞台美術:森岡美希、渡邊のり子
照明:阿部康子
宣伝美術:古山菜摘
制作:根岸佳奈子

 子供ミュージカルみたいになっていたらどうしようかと思いながら見に出かけたが、よくあるようなおかしな脚色はほぼなく、原作に忠実だし「銀河鉄道の夜」に相応しい舞台だった。「銀河鉄道の夜」は北村想の「想稿 銀河鉄道の夜」、あるいは映画「幕が上がる」でも劇中劇として上演された平田オリザ版などがよく知られているが、百景社版は原作小説を基に演出の志賀亮史が自ら手がけたオリジナル版。
 舞台装置はほぼ椅子とテーブル、そして後半になると銀河鉄道の車両にもなる着脱可能な壁のような装置ときわめてシンプルな構成。舞台の進行にともないこれを自由に動かすことで教室からジョバンニの家、銀河鉄道の車内へと融通無碍に変貌させていく。
 セリフなどは原作小説に準拠しているが、特徴はミュージカルではないが音楽劇といってもいいほど劇中に音楽が多用されていることだ。幕が開く前にきわめて印象的なささやくようなフォーク調の歌が聞こえてくる。聞いたことのない曲だったが、歌声は聞いたことがあり、「これは森田童子ではないか」と直感的に思い作演出の志賀亮史に確かめたのだが、はたしてそうであった。実はこの後もいくつも曲がある時はBGMとして、ある時は出演者によって歌われたりと数多く出てくるのだが、この選曲がなかなかユニーク。といえば聞こえがいいが、古い曲が多いのだ。ホルスト「惑星」から「ジュピター」とか、宮沢賢治自身が作った「星めぐりの歌」はもちろん、なぜか流れるボレロ」などベタな名曲も多いが、挿入される楽曲に一時代も二時代も昔の曲が多い。
 当然、意識して選曲したわけではないので偶然の選曲に違いないが、長年ももいろクローバーZのファン(モノノフ)をやっているものにとってはおなじみな曲*1も何曲か流れて、そのシンクロ二シティー*2に思わずニヤリとしてしまった。
 
 

*1:アルフィーの「星空のディスタンス」、いるかの「なごり雪

*2:もちろん、「幕が上がる」の主題歌である「青春賦」が流れるというようなことでは全然ない。ももクロとも直接関係はないので変な期待はしないように