カラス アパラタス 開館4周年記念公演アップデイトダンス #48「イルミ ナシオン」

フランスの詩人アルチュール ランボーの詩集
「イルミナシオン」(1874)を基にしたダンス作品。
私自身、若い時に読後の興奮と焦燥とで胸躍らせた身体感覚が
7月の太陽の下によみがえりハートを焦がす。
今年の夏のダンス体験は、8月終わりに萩原朔太郎
「月に吠える」に移り、歪んだ太陽と鋭い月の牙へ向かう。
                    勅使川原三郎


出演  佐東利穂子 勅使川原三郎
演出 照明  勅使川原三郎

ランボーの次週「イルミナシオン」が原作。終了後のトークでも勅使川原はランボーの詩に出てくる「振り返る」という言葉に言及して若き日からの自らの「イルミナシオン」への思い入れの強さを口にした。
とはいえ、ダンス自体からそうした意図をはっきりとうかがい知ることができるかというとそういうものではないということになりそうだ。
ただ、傾向は役柄を演じるような演劇的な要素や音楽作品を踊るという最近の作品とは違う。冒頭の数分ほどは真っ暗で何も見えないような状態が続く。それはエマニュエル・ユンの暗闇でほとんど何も見えない中で踊る作品を思い出させる。
とは言え、この作品にはユンの作品のようなダンスに対するコンセプチュアルな問いかけというのはない。現にその後ははっきりした照明の中で踊る場面もある。表題の「イルミナシオン」は英語に直せばイルミネーション。照明や光という意味合いもあるから、光と対比するための闇というのをここで強調しておきたかったのではないだろうか。